去年に読破した三体の番外編。
作者が違うので二次創作作品ということになる。
最初は、言うても二次創作だろ?と思ってたが、
いやいや、これは凄い。翻訳者が同じなのもあってか
まったく違和感なく、本編の続きとして読めた。
とにかく凄いのは、三体Ⅲ本編で気になった所の
ほとんどに解釈を突っ込んできて、結構腑に落ちる内容になってる事。
中にはそこ拾う?ってぐらい意外な部分を擦ってて、
智子のモデルや雲天明の初期の頃の起業したアレとか、
まあ、小ネタが利いてる利いてる。
全体的に本編であまり語られなかった、脳だけになった
雲天明の来歴にスポットが当てられる。
この辺りは まあそうだろうな って部分と、
そうきたか って部分が混在してて、読んでて楽しい。
終盤は次元を超えた戦いの話にシフトし、
本編で謎だった歌う手と王にも触れられる。
この辺りは、超常過ぎてなにがなにやらで
ちょっと読むのが苦痛なんだけど、
本編でも苦痛な部分があったから、ちゃんとそういうとこも
踏襲してて凄いよ三体X。
潜伏者とマスターの争いは、まるでゾロアスター教の
善神と悪神の戦いのようであり、
宇宙は全く同じ事を繰り返すのは仏教の輪廻のようであって、
神話的メタファーを感じた。この辺りの上手い。
ただ、1つ、個人的に納得がいかなかったのは、
安易に雲天明と程心を再会させてしまったところかな。
三体Ⅲの結末はそのハズしが良かったと思ってて、
劉慈欣の人生観をそこに感じたからだ。
人は誰しもロマンチックな出会いと再会を経るわけではない
と言わんばかりの結末が、三体最後にして最大のリアリティだと
私は思ってる。 再会部分だけは三流同人誌だと言わざるを得ない。
他は超おもしろかったよ!