
白土三平 忍者武芸帳影丸伝 読了。
先にカムイ伝を読んでしまったのが
良かったのか悪かったのか分からないけど、
カムイ伝の先行コンセプトモデルとして読めて
物凄く面白かったです。
読み易さや主人公造形の面白さからすると、
カムイ伝より武芸帳の方が好きな人が多いのも納得で、
確かに、人に勧めるならこっちかなって感じかな。
下層民が支配層に一揆を起こして体制を壊そうとするとこに
ピックアップするプロレタリアなとこは、
やはり一貫してるし、ビターな結末もカムイ伝に引き継がれてる。
武芸帳最終巻のラストに最後の締めとして書かれた文章中にある、
時代の原動力となった人々を描ききれなかったという反省が、
まさにその反動と言わんばかりにカムイ伝では表現されていたし、
影丸・重太郎・甚助という忍者・武士・剣士の3人に代わり、
カムイ・正助・夢之介となり、忍者・百姓・商人になって、
より身分の視野を広げた布陣で挑んだのも納得だ。
もちろん、忍者武芸帳ならではの魅力も満載だった。
その最たるは影丸と影一族の設定だろう。
前半は主人公として描かれていた重太郎とは思惑が反してるが
明確に敵かどうか分からないミステリアスな存在で、
話が進むごとにその目的や、不死身に等しい影丸の秘密
その仕組みを漫画としてとても面白く説明し
原理を納得できるラインで落とし込んでるとこが最高に良い。
この影一族のような腑に落ちる気持ちよさはカムイ伝に
引き継がれなかった感じがする。
より渋くより洗練した忍の設定や赤目は、なんかこう
破天荒さを失い白土先生オトナになっちまったな感がある。
カムイ伝は長編だけあり、その分面白いキャラクターの
横幅は一気に広がった。容赦なく退場していくんだけど!
とにかく影一族の設定の面白さで全8巻一気に読めるほどです。
あと、次に信長の野望をやるとしたら間違いなく本願寺でプレイでしょう。
忍者武芸帳も傑作でした。