やりたくないことを逆算的に
積み上げたのが本作とも言える。
ゲーム部分では、
・一人が無双するような安直なバランス。
・ベンチを温めるほどの無用なキャラビュッフェ盛り。
・周回やサブクエといった作業でしかない要素
・三すくみのような机上の空論
シナリオ部分では、
・安直なハーレムと死
・原理不明な超アイテムや現象
・目的ゼロで協力的な他者というご都合主義
・倒すべき巨悪という幻想
・勝ち続けるという非現実性
こうなると結構な制限となる。
自由に物事を考えるほうが豊かな発想を生み出す
とは言うが、自由過ぎるのも散漫になり、
意外とモノは完成しない。
なので、制限とはやることを狭め
完成を近づける行為でもある。
完成しないものは存在しないものに等しい。
ティーンエイジャーが喜びそうな要素全オミット
という重過ぎる制限の中、どう本編に味付けするか、
物凄く試行錯誤しました。
結論としては知的探求心に寄り添う方向に舵を切った。
本作のために読んだ本や論文はめちゃくちゃ多い。
シェイクスピア作品を解説した入門書から
四大悲劇それぞれの諸説を記した論文、
最新の注釈が入った翻訳書、
8世紀以前の欧州における文明史、
アミニズムに関する俗説書、
古代の神話と逸話。
あらゆる書籍から知識をお借りし、分かる人には分かる、
分からなくても何となく面白味になる、そういった
マニア好みな引用がインターミッションやステージ本編に
散りばめられている。
この辺りがお楽しみいただけると大変嬉しいです。
タイトルの"錫と羆の王" この意味もそういった文脈の下に
制作上後半に決定した題名なので、ここも読み取っていただくと
制作冥利に尽きます。
ヒントは現実のある地域の繁栄と滅びの象徴です。
2年以上も制作を続けていると、
現実で起こった出来事をその時のライブ感で
取り入れてしまう場合があります。
本作もいくつかの出来事を遠回しに風刺する形で
盛り込まれているので、できるだけ早めに遊んで
いただけるとそこに気づき易い造りにもなっています。
来年以降遊ばれる方は2020年代前後の作品という
ことを念頭に置かれますと数倍お楽しみいただけると思います。
続いて、
リリース直前に自分で通しテストプレイを行った時の話を。
プレイから離れてどう公開するかどう告知するかとか、
俗な事を考えてる時は、このゲームそんなに面白いかなあ?
と不安になるもので、ひとたび自分でプレイしてみると、
面白い こりゃいける!と自信が回復する。
これを何度も繰り返して、最後のテスト時でも
プレイさえすればやった事は全部届く と確信を得、
我ながら本当に良いものを作ったと自賛してしまう次第で、
大分私小説になってたのも自分で驚きでした。
長く個人で手掛ける作品というものは、
意図せず魂が入ってしまうもので、
ここ10年は長くても1作半年で決着を付けていたので
長らくこういう感覚を忘れていました。
リリース後は、全て出すものは出し切ったという感で
満たされている次第です。
こういったことは恐らく一生のうち数回しか体験できないでしょう。
一生懸命やったものでもなにがしか思い残しがあるというものです。
それが一切無いという完遂感。 控えめに言って最高です。
最後に遊んでくれている方々へ。
今回は体験版と同じ通常エンドから先に行くための
追加シナリオへの到達方法と、更に真エンドへの到達方法と
二段構えの追加要素となっております。
ブログやBBSなどネットでのヒントは無し。
ヒントになりえるかもしれないモノをある所に仕込んであります。
真エンド到達者をお待ちしております。
たくさん売れれば構想済みの続編を制作するので
皆さん購入してくださいませ。
次回作はやりたくない事も盛り込んだ
ティーンエイジャー向けを予定しております。