グラフィック面、特に顔グラフィックで一貫して守ったのが
原画至上主義だ。
本作では、塗ってはじめて完成するような顔絵は1つとして
描かれていない。原画で7割以上の完成になるぐらい
描き込んでいる。
その分、塗りではできうる限り影を付けるという作業を省いている。
それは、影がなくては立体に見えない絵は原画の段階で
下手だからという考えが根底にあり、
これもある種の世界名作劇場リスペクトでもある。
もちろん、セル調の絵が好きという個人的な理由もあるが、
中途半端な塗りは同人絵臭くみえるという
超個人的な偏見も後押ししてる。
なにより作業量が格段に減り、下絵の上達も見込めるという
打算的な思惑も大きいだろう。
また、万一リニューアル版を製作する際も、
原画がしっかりしてれば塗りなおすだけで見栄えが変わる。
10年後を見越した設計で土台に徹底したとも言えるだろう。
さて、顔グラフィックのモデルの話に移ろう。
本作の顔は、ほぼ実写の人物をモデルとしている。
特に映画俳優から選ばれ、実際に実写でやるとしたら
この人だろうって俳優の顔を参照している。
なのでネームドキャラクターは全て手癖で描かれてはいない。
ネタ元を予想するのもゲームの楽しみの1つとして
いただければと思う。
一部の登場人物の中には、史実の人物であるから
絵画が残ってる場合があり、それを参照している。
上の画像がその一例で、
マクベスの原作に登場するドナルペインだ。
このような絵画ネタもいくつかあるので、
有識者のプレイヤーもお楽しみいただけるだろう。
本作は顔絵に限らず全ての方面で
分かる人には分かるギリギリのラインを突いているのだ。
最後に、目のハイライトの話をしておこう。
本作の登場人物は全て目にハイライトが無い。
影を塗らなくても目にハイライトぐらいは入れるものだが、
あえて入れなかった。
よく 死んだ魚の目 という表現があるが、
ハイライトが無い目というのは死んだ人の目の
表現として用いられる。漫画的表現の一つだ。
即ち ハイライトは生 無しは死 を象徴している。
だが、2000年代に入ってから
目にハイライトがないキャラクターが増えてきた。
主にNARUTOだが、現在に至っては
けものフレンズ、東京リベンジャーズやウマ娘といった
最前線にある作品にも散見される。
それらが死を象徴してるかといえばNOであり、
個人的に目にハイライトが無いキャラクターとは
現代性を象徴しているのでは?という仮説がある。
なので本作品が2000年代現代に作られた作品である
証として、あえてハイライトをなくした。
今後ハイライトが無い目はより浸透していくだろう。