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ソロモンの偽証6  法廷 下

6巻3000ページに渡る長編をついに読み切った。
大変満足した。間違いなく傑作。

ミステリであるという刷り込みで、ちょっと深読みし過ぎたので
真相はちょっと拍子抜けだったけど、
各々の動機に至る悪意や妬みのディテールが凄まじい。
メインの登場人物への光の当て方が濃厚過ぎて、
そこがクドイと感じるか、上手いと感じるかで
この作品が読める読めないで分かれるとと思う。
正直、自分も所々ついていけないところもあった。
なのでミステリとしてはもろ手を挙げて褒められないんだけど、
その一方、90年代初頭という時代小説として見るなら
これは最高の出来だった。
自分もちょうど本編の登場人物たちと同じ時期に同じ中学生だったから、
いやはや、感情移入というか、共感というか、自分事ぐらいに
思えるほど話に入れた。
これ結構凄くて、自分は学園モノって読めない方でさ、
結構学生生活エンジョイしちゃった側だから、
学生ルサンチな作品はぶっちゃけ読めないのね。
けど、ソロモンの偽証はそういった学園モノとは格が違った。
間違いなく時代小説だった、90年代がそこにあった。
90年代前半に中学生だった人にはイチオシです。




以下ネタバレ感想


最後の短編は蛇足だったかな。
藤野涼子が誰とくっついたか明確にしてしまうのは野暮い。
伝説の裁判の関係者の一人ってぐらいでよかったんじゃないかな。
大衆小説の弱みというか、全部言葉や字にしちゃうのは浅い。
個人的にラストの短編はやり過ぎだと思う。
中防にマジになって怒る涼子は最高に良かった、あれでいいんだよ
あそこまででいいんだよ。 相手を明かすのはやり過ぎだと思う。
もっと読者を信用してくれ って思う。
がしかし、
ここまで書ききったからには作者の手で想像の余地もないほど
完膚なきまでに終わらせるってのも分かる。
シンエヴァがちゃんと終わったとも聞いたし、
完全に閉めるのはちょっとトレンドを感じるよね。

神原が現場にいたのは、明らかかつ親切に読み手を誘導してたけど、
電話の意味は、ありゃわかんねーわ。
そういう意味でミステリになってない。
明確な犯人がいてほしかった。
でも、そうすると一気にこの作品が安っぽくなっちゃうんだよな。
自殺でその理由付けに最後従事したのも仕方ないと思う。
よく考えたら90年代って考え過ぎて自殺するニュース多かったし、
90年代を生きてきた身としては、
やっぱとことん時代小説なんだなって納得できた。

野田君よかったよなあ、男性読者の過半数は野田君に感情移入不可避。
野田のビルディングスロマンとしても成立してる。
最後の反対尋問は、おいおいおまえ成長したな!!!ってついうるっときたよ。
で、そこからの野田君エピローグですよ。サイコウ。

映画版は野田君要素が涼子に統合されてるって聞いたけど、
それは・・・ 片手落ちすぎないか?
韓国版はもはや中学生じゃないからテーマ的に論外として、
これから放送するWOWOW版は現代でSNSを使うってんだから、
もう制作側はなにもわかっちゃいねえ!! 90年代を再現しないと
この作品はなんにも意味がねえよう。 バカじゃねえのか。
みゆきはどうしてそんな二次創作を許しちまったんだよ。
カプコンにADVとして制作させるか、京アニに2クールでアニメ化させるか、
その二択しかねえだろうようコレ。 しっかりしてくれようホント

とか言って映画のDVDがアマゾンで馬鹿安だったからポチっちゃったんだけどね!!


by souka_t | 2021-05-15 07:57 | 文学 | Comments(0)
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