今年も多くの訃報が続いたが、これほどのショックは無い。
言わずと知れた傑作ジャンプ漫画 きまぐれオレンジロード の作者、
その訃報である。
俺みたいな80年代少年ジャンプ世代にとっては、
誰しもが知ってる作品だ。
ラブコメとはなんたるかを きまぐれ で学んだと言っても過言じゃない。
当時は桂正和先生の電影少女と並ぶ
”読んでることをお友達に知られたくない漫画”
だったと言うと、大きくうなずく人も多いことだろう。
しかし、当時の少年たちはそう言いながらもしっかり読んでる。
少年とはそういうもの。
作品の中核はダブルヒロインの間で揺れる優柔不断な男主人公という
体であったものの、誰しもが最後は鮎川まどかエンドだろうことは
予見していた。 だが
読者間でまどか派かひかる派かの議論は連載完結以降も続いた。
これは一重にキャラクターの強さで、10年以上語り継がれる作品は
やはりキャラの強さが大事であることを、ここから学び取った。
無論、時代性というものがある。
まどかとひかるを現代の深夜アニメに出したところで、
数年で忘れ去られることだろう。
これに似た事柄で、
ドラゴンクエスト5のビアンカ・フローラ論争がある。
これまた発売以後10年以上語り継がれ、
リニューアルされ、更にデボラという第三の選択が追加されたが、
初期の二人ほどの話題の熱量は無い。
やはり 二者択一 が人の心を掴むのだ。
その一方が、まどか・ビアンカのように作品上で正ヒロインとして
推されている、としてもだ。これまた多くの学びがある。
アニメ版きまぐれオレンジロード。
とてもアニメ化に恵まれた作品だった。
なんといっても注目すべきは ”カットイン独白表現”
原作でも四角内で恭介の独白コマがちょくちょくあるが、
アニメ版はそれを上手く拡張した表現となってる。
独白時一瞬無音となり写真調にカットが入る、
これは恭介の父親がプロカメラマンであり、
いずれは恭介もその道を行くことと上手く韻を踏んでいる。
もうこれだけで きまぐれのアニメ化は成功している。
原作にないエピソードで、鮎川まどかがより何でも出来る
超人高校生となっているが、それでも
優柔不断で一番ヘボい主人公恭介が、本来であれば
超能力が使える超人のはずなの。このどこかハズしてくる所
”優柔不断”こそがラブコメなのだ。
この文脈は、マガジンの赤松漫画や、ニセコイ・とらぶるといった
現代の少年ジャンプラブコメにも引き継がれている。
まだまだこの系譜は続いて行くことだろう。
まつもと泉先生のご冥福をお祈りしてます。
関連リンク