元代に民間で流行った三国志の講談。
御馴染みの三国志演技をベースに、
小刻み良いスピード展開になってたり、
人物が新たな演出による登場や死を迎えたりと、
諸所大胆なアレンジが加えられている。
やはり特筆すべきは冒頭か。
前漢・高祖とその皇后そして功臣達の裁判。
これが平話の序章にしてもっとも見所で、
このやりとりによって前世の業が絡む
転生ストーリーを予感させるが、
本編に入るとぜんぜん全くその件とは無縁のごとく
ダイジェスト三国志が展開される。
演技を知っていると、細かい変更や大胆な省略に
ところどころ楽しめるが、やはり、冒頭のインパクトを
超える展開は本編には無い。良くも悪くもダイジェスト版。
かといつてつまらなくもないのが、これまた微妙なところである。