このお話は半分フィクションです。
登場する人名は現実の人名とは変えてあります。 「先生」それは一芸に秀でる者や、ある程度の奇行 を極めたものに送られる敬称である。 「大先生」それは先生の中で優れた者に送られる 称号ではない。大先生は類希なる才覚や発想、 あるいは圧倒的な何かを生まれもってこの世に誕生 してしまったファンタジスタに贈られる称号である。 これから語られる話は、その大先生の片鱗を持った 驚異的な女子高生の物語である。 ある日、一匹のウサギは、ランダム入室でコエブライブに入室した。 「こんにちわーっ! ボク今受けボイスの練習してますっ どんどんリクエストしてくださいねっ!!」 高音の利いたライブ部屋主の声が響き渡る。 ウサギはその開口一番の内容に目を丸くしたが、 すぐに気を取り直し、接触を試みる。 「おすおす」 「"受け"とはあれけ?掛け算のあれやそれで山無く意味無く 落ちもないあれけ? いわゆる少年ボイスの練習しとるんけ」 そうウサギがテキストチャットで聞くと、部屋主は 「そうっ!ビーエルだよ!」 「あと少年ボイスの練習じゃなくて、ボク男だよ!」 「ボクの名はルカ、君の名前はなんて読むの?」 「ピアさんだよーう」とテキストで返す。 8割の可能性で女の子の声であった。 しかし2割ほど声変わりしてない男の子の声を疑った。 "相手の設定を受け入れる"の法則により突っ込むことはできない。 初回からいきなり原則の適応である。 「ねえ、なんかリクエストしてよ!受けがいいんだよ受けが!!」 ウサギは目を丸くした。 "なにをいってるんだこいつは" そんな目だった。 だが、あえてぶっ込んでいくことにした。 「それじゃー、シチュエーションからアドリブでやってー」 「いぢわるな先輩にぢらしプレイをされて いてもたってもいられずケツを振る受け犬な後輩でお願いしまっす!」 ウサギは我ながらよく瞬時にこんなリクエストが思いついたと 内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず・・・ 「台詞じゃなくてそれを今考えてアドリブで? お客さんスキモノだねえっ!!じゃあやるよっ!」 「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」 女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な声がライブに響き渡った。 ウサギは初回にしてこの奇妙な状況に首をかしげた。 ここで取らねばなら行動が2通りある。 1.「年頃の子がそんな下品なことをしてはいけないよ」と紳士に諭す 2.「おもしろいッ!大器なり、どんどんリクするぞーい」と背中を押す →2 前に進むか留まるかを迫まれた時、前進を選ぶのが我らの掟。 崖に突き落ちるまで背中を押し切って進むッ! 「えーっ ホントぉ!いいよいいよもっとリクしてっ!!」 ルカは上機な高音をライブに響かせる。 「次だ、体育倉庫のマットの上に倒されて強引にくちびるを 奪われるも長い首筋攻めに昂揚していく受け犬後輩でお願いしまっす!」 ウサギは我ながらよく瞬時にこんなリクエスト を矢継ぎ早に思いついたと内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず 「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」 再び、女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な 声がライブに響き渡った。 「更に行くぞ、先輩に新しい彼氏ができてしばらく邪険にされるも クリスマスの夜になんとかよりを戻して二人だけのイヴパーリィ中 シャンメリー(ノンアルコール)なのに酔っちゃったとか強引に 迫ってきてソファの上で耳タブ噛みで攻められながらますますオス犬 に堕ちていく受け後輩でお願いします」 ウサギは我ながらよく瞬時にこんな意味不明なリクエスト を思いついたと内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず 「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」 またもや、女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な 声がライブに響き渡った。 「ほも先生、この若輩者のウサギの耳には、すべて同じに聞こえます!!」 真っ正直に感想を述べるウサギ。 「えー ホントぉ? ちょ、ほも先生ってなんだよー!!!」 「べ、べつにいいけどぉ・・・」 「いろいろ変えてるつもりなんだけどなぁ、どうすればいい どうすればいい?」 「ほも先生、まずは決定的な差異を示すためにシチュエーションから ワードを拾ってそれを子芝居に組み込んでいきましょう。現状況では アンアン言ってるだけの受け犬野郎です」 「わかったよピアさん! ボクがんばってみる!!」 ルカ改めほも先生は無駄に素直だった。 それはいたづらに背中を押してみた自らを逆に反省するほどに。 その後、このほも先生キャラはウサギによって多方面へと コピー・運用されていく。"えー ホントぉ!?" なぜ、ほも先生は受けキャラが好きなのだろう?その最大の疑問を あえて残し、コエブの強烈な初回を終えた。 あくる日 昨日はウサギと1対1だったほも先生の部屋がやや賑わっていた。 「あ、ピアさん! 昨日はありがとうっ!!」 「今ボクね、メールにハマってるんだっ!!ピアさんも メール送って送ってーっ!!」 そう言うと、チャットにメールアドレスが投下される。 他の客は既にメールのやりとりに勤しんでいるようであった。 「ほも先生、このメアドを不特定多数に蒔いてるんですかーい?」 「ちょっと!!人前でその呼び方やめろっ・・・べつにいいけど」 「そーだよー メルトモいっぱいつくるんだー!昨日メアド作ったんだ!」 「へえ、そりゃ友達100人できちゃうといいですなあ」 「ピアさんドリームキャストでネットやってるからメールが 使い辛いんよね、気が向いたら濃厚なストーカーのようなメールでも 送りますよ、震えて待っててください ほも先生」 「いいよーっ どんっどんストーカーしてー!!」 ほも先生は大変無邪気であった。 その無邪気さに一抹の不安を感じ、ウサギは一計を案じて 多少の教訓を叩き込もうと試みる。 しれっとライブでチャットを打ちつつ以下の内容の メールをほも先生に送信した。 ------------------------- Subject: コエブ運営 平素日ごろよりのご利用ありがとうございます。 声部ライブの使用料金の請求が以下のようになります。 ライブ部屋使用料金 \5,800 月末までにお振込み下さいませ。 直、期日が過ぎますと追加料金が20%が発生 しますのでご注意ください。 ご利用ありがとうございました。 ------------------------- 多数の客と戯れながら談笑にふけこむほも先生、 それが数分続いた後、突然豹変する 「なに・・・これ」 「なんか、コエブの請求なんてきたんだけど・・・これって、 みんなのところにも・・・来てるの?」 活発人気美少女が一変して不安青ざめ女子に。 「あー きたきた ピアさんとこにもきたよー!! コエブ使い過ぎるとえらい金とられるよねー ピアさん週2だわー」 気鋭を制すると、ネタに他も追隋する。 「うちもきたきた コエブ破産とかあるからきをつけて!」 他の客もこれがいたづらと察して乗ってきた。 「えっ・・・ ちょっと、ホントに、やばいんだんけど・・・」 「ママに怒られるよ・・・ネット使えなくなっちゃう、どうにかならないの?」 本気で不安の色を示すほも先生。 さすがにこれぐらいでいいだろうと思い、次のメールを送った。 ------------------------- Subject: Re:コエブ運営 うそぴょーん^^ ピアさんだよーん ------------------------- 多数の客を巻き込んで後悔モードに沈むほも先生、 それが数分続いた後、突然豹変する 「はあああああ? なんだこれぇえええ!!!」 「このクソウサギやりやがったーー」 「ピアさんのいたづらじゃんかこれーー!!」 「てひひ」テキストで不適に笑うウサギ 「どうしてこういうことするんですか?」 「ボク、本気て今、不安だったんですよ」 本気でげきおこぷんぷんなほも先生、 その異常な雰囲気にライブ全体の空気が張り詰めた。 「ほも先生、メアドを誰それ構わず教えるってのはキケンだ、 今のいたづらメールのシャレにならない版がそのうち着ちまいますぜ」 「でも、こんないたづらすることないでしょう!!ピアさんひどいっ」 いつも男の子言葉のほも先生が女言葉になっていたのが印象的だった。 納得できない、そんな雰囲気の中、ほも先生との二度目のライブを終えた。 それから数日後。 「よう、ほも先生」 「どーよ 友達100人できちまったかーん?」 「あ、ピアさん!!こんにちわ」 「あのね、あれから掲示板で変な人のメール登録しちゃって、 いっぱい変なメールきちゃって・・・、それが親にバレて、しばらく パソコンでメール使うの禁止されちゃった・・・」 「ははん、ハデにやったなん、でもコエブライブはまだやれてる ってことはパソコン全面禁止は免れたな ほも先生」 「うん、やっぱりピアさんの言ったこと正しかった ありがとうね」 なんと素直な子だろうか。むしろウサギの方がほも先生から 習うべきことが多かったのかもしれない。 この後、ライブに訪れるごとにほも先生は様々なことに挑戦し ウサギに意見を求めた。 声真似、歌、作詞作曲、絵、ホームページ、数学の宿題、 ほも先生はことごとく三日坊主であったが、 覚悟を決めて購入したPSvitaを駆使し、動画作りの分野で ようやく開花することになる。 もっててよかったvita 「ピアさんボクの動画リツイートしてよぉ!!」 「やだよぉ ほもと思われる」 つづくっ
by souka_t
| 2014-10-01 02:58
| 長期レポ
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