第二回はシステムに関する話。
戦列ペンギンの基本はセット&アクションになる。
5つのカードから3つ選んでセットし、そのカードに書かれたアクションを
お互い同時に1枚づつ実行していくというものだ。
さて、このセット&アクション、実はボードゲーム制作最初期にも挑んでいる。

艦隊決戦ゲーム・フラッシュノットだ。
このゲームも手札から3枚をセットしアクションを実行して判定を行うというもの。
今見てもこの頃から面影があったと思う。
しかし、フラッシュノット完成後にこの路線でシステムを改良していくつもりは全く無かった。おそらくその当時の自分の発想の限界がそこまでだったのだろう。
それから1年以上経ち、
テレキネシスゲームズのマッハストラグルと出会うことになる。
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これもまた、3つのアクションカードをセットして順に航空機を操作するという内容で、
プレイの系統は似てるものの、状況の動き方などが非常に洗練されていて、
かつデザインに無駄が無い。
プレイした後にハッとさせられた。 この系統は実はまだいぢり甲斐がある分野
なのでは、と。 同じアクションを持ちそこから選択し、それらが時としてバッティングを起こす。
公平性と読み合いの要素を兼ねた素晴らしいシステムなのだ。
マッハストラグルにはその価値に気づかされた。
それからまたしばらくして、新作を制作することとなり、
同種のシステムに挑んでみよう、となった。
まず、マッハストラグルのゲーム状況を表す"横の動き"に習い、
自分はそれを円で表現してみようと試み、
「ローリング綱引きシステム」が完成する。
円形のマスをチップがぐるぐるまわり、
止まった方の陣営に災禍が訪れるといったものだ。
余談ではあるが、ウサギのすもうにもこのシステムを取り入れようとした痕跡がある。
ゲームとしてもうワンクッション入れて勝敗を決めたいと思い、
次に純粋な進行表がが完成した。
更に運の要素を1味という駄目押しで、進行表にあるそれぞれの
要塞要素が付け加えられた。
イメージとしては半熟ヒーローの城の切り札。
追い込まれた側からのまさかのビックリドッキリな要素を組み込みたかったのだ。
ここまでくると、テーマは絶対に戦争モノにしようと決めた。
なぜならば、システムがそれを求めたからだ。
物事を突き詰めればおのずと答えが出るように、
システムも詰めていくと、"これしかない"というテーマに行き着く。
蜃気楼の12時間などもまさにその類で、その系列においては最高傑作だ。
ではシステムから何が見えたのか?
ついに明かされる戦列ペンギンのアーティスティックたる所以。
それはこのような構成となるからだ
カードセット&効果 → 戦場の一場面・兵士視点
ローリング綱引き → 指揮官の戦場全体視点
進行表 → 戦地が動く戦略視点
そう、ゲーム行程の順がそのまま視点の拡大となっているからだ。
これに気づいた時は身震いがした。
シミュレーションゲーム制作から端を発したショーナンロケッティアズが
求めるものは「新しき戦闘システムの確立」。その1つの終点がこの時見えた。
ゲームを作る際に、誰しも目標地点というものは異なる。
だが、これは明らかに自分が目標地点としていたものだった。
ゆえに、これほど完成に満足した作品は無い。
現時点でショーナン最高傑作。
そして、その系譜は今現在制作されているPoint:203に受け継がれる。
次回は戦列ペンギンのアートワーク編。
おたのしみに。
戦列ペンギン・デザイナーズノート その1
戦列ペンギン・デザイナーズノート その3