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【ノベル】演じられたタイムトラベル


去年の暮れに出た土橋真二郎先生の新作、
演じられたタイムトラベルを読了。
鎌倉図書館でこれをリクエストした人、マヂグッジョブ!

今回も状況が切迫する中の人間関係のこじれが
息苦しく、それが面白い。安定の土橋節でした。

特に舞台仕掛けが上手く、
今までで一番凝った設定だったんじゃないかな。
同人ボードゲームを作ってる身としても非常に興味深い
ギミックを見せてもらった。
システムに元ネタはあるのかな?
バッドエンドをかいくぐっていくくだりは
惨劇ルーパーっぽい感じはしたけど、
それ以上に興味深かった「辻褄を合わせる」って部分は
非電源ゲームに生かせるニオイがしまくりだ。

舞台装置はホント面白かったけど、
たまに挿絵の代わりにある図表とテキストだけでは
状況が掴み辛いのが難点だった。
かと言って、実際やってるのはセットが安っぽい
リアル脱出ゲームのようなことだから、そのまま
映像でやってもそんなに映えなそう。

世の中にはいろんなループモノがあるけど、
これほど変化球というかメタなループモノは
今まで読んだことが無い。オススメしたい。



以下ややネタバレ











人間関係と舞台装置に力を割きすぎたせいか、
あんまりどんでん返しな展開は無かった。
毎回メンバーの中に主催側の人がいるけど、
今回はあえて外してきた感もあるな。
ゲーム自体の魅力で押し切った。
最後に明かされる6人目の死亡者も、
本編でそれを示唆する伏線が欲しかった気もする。
しかし、これほどのものを1冊に収めること自体凄い。
by souka_t | 2013-03-07 20:50 | ノベル | Comments(0)
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