去年の暮れに出た土橋真二郎先生の新作、
演じられたタイムトラベルを読了。
鎌倉図書館でこれをリクエストした人、マヂグッジョブ!
今回も状況が切迫する中の人間関係のこじれが
息苦しく、それが面白い。安定の土橋節でした。
特に舞台仕掛けが上手く、
今までで一番凝った設定だったんじゃないかな。
同人ボードゲームを作ってる身としても非常に興味深い
ギミックを見せてもらった。
システムに元ネタはあるのかな?
バッドエンドをかいくぐっていくくだりは
惨劇ルーパーっぽい感じはしたけど、
それ以上に興味深かった「辻褄を合わせる」って部分は
非電源ゲームに生かせるニオイがしまくりだ。
舞台装置はホント面白かったけど、
たまに挿絵の代わりにある図表とテキストだけでは
状況が掴み辛いのが難点だった。
かと言って、実際やってるのはセットが安っぽい
リアル脱出ゲームのようなことだから、そのまま
映像でやってもそんなに映えなそう。
世の中にはいろんなループモノがあるけど、
これほど変化球というかメタなループモノは
今まで読んだことが無い。オススメしたい。
以下ややネタバレ
人間関係と舞台装置に力を割きすぎたせいか、
あんまりどんでん返しな展開は無かった。
毎回メンバーの中に主催側の人がいるけど、
今回はあえて外してきた感もあるな。
ゲーム自体の魅力で押し切った。
最後に明かされる6人目の死亡者も、
本編でそれを示唆する伏線が欲しかった気もする。
しかし、これほどのものを1冊に収めること自体凄い。