世界名作劇場CS復活第一弾作品。
原作はタイトルどおりレ・ミゼラブルで、多々改変有り。
ーネタバレ含むー
CS世界名作劇場組の「ポルフィ」と「こんにちわアン」は見てたのに、
どうしてこれを見てなかったんだろう。
はじめに言ってしまえば、傑作だった。
傑作を原作に持つのだから傑作になってあたりまえと言われるかも
しれないが、世界名作劇場を繰り返し見てきた湘南界隈きっての
世界名作劇場マニアのこの私に言わせても傑作。
序盤、世界名作劇場はエンジンが掛かるまで長い。
たとえば、母を訪ねて三千里は旅立つまでだいぶあり、
ポルフィの長い旅も長い旅がはじまるまで半クール以上と長い。
小公女セーラでもセーラははじめ普通の生徒として過ごす
エピソードが続く。序盤平穏は伝統かってぐらいの展開だ。
しかし、
コゼットは序盤からハードコア。
小公女セーラを10話ぐらいに凝縮しましたってぐらいのハードコア。
つい目を覆って人差し指と中指の間からチラ見したくなるほどの展開。
世界名作劇場復活第一弾から飛ばし過ぎちまったんじゃねえのか?って
ぐらいすさまじい。正直、序盤だけ切り取って、コゼットがジャン・ヴァルジャンに
引き取られたところで終わりにしても納得が行くぐらい。
序盤だけでセーラとタメ張る作品と言ってもいい。
中盤、世界名作劇場ならやっとこさ救いの手が見えてきたり、
親友ができましたーってなるじゃない。
もうね、そんな展開は序盤に全部消化しちまってるんですよ。
コゼットはどんどん淑女になっていくんですが、
主役はもう、それを見守るジャン・ヴァルジャン。
可哀想の次は葛藤なんですよ。ガラっと作品の雰囲気が変わって、
元徒刑囚であるヴァルジャンの逃亡暮らしと
コゼットをどうしたものかという苦悩がまたたまらない。
いたるところで過去の善行で救われるところなんてもう
世界名作劇場の王道展開に相応しい。
後半はマリウス登場で恋愛物語に発展して行き、
いよいよマッタリしてこそばゆい展開になるかと思いきや、
ここで19世紀のフランスの世相を背景にした
時代色が一気に強まる。序盤から溜めに溜め込んで来た
登場人物達と伏線が一気に革命運動の線に繋がっていく。
このあたりのすれ違いはことのほか切なく、
物語もどんどん収束していくのだけど、
後で調べたら原作とは大きく異なってて、
ある種、原作に対する名作劇場側からの別解を示した内容になってる。
特に、ジャベールに関しては、見ていて「そうあって欲しい」と思った
方向に改変されていた。原作ではどうなるか知っていると
二度楽しめるんじゃないだろうか。
この次に放送されたポルフィの長い旅は、全体的に
かなりマイルドになっているのだが、
コゼットを見た後ならちょっと納得する部分もある。
更に次のこんにちわアンでちょっとキバを剥いた感はあったけど、
あれは根本的な悪人がいなかったからなあ。
本作のテナルティエクラスともなると名作劇場じゃレアなんじゃないかな。
トムソーヤに出てきた殺人犯ぐらいじゃないかね。
総評すると、自分の中のロミオ・セーラ・新アン の名劇3トップを揺るがした。
2位かあるいはもしかすると1位に入れてもいいぐらい。
見たばかりで上書き保存効果があるので、しばらく置いて年末に
再度検討したい。