人気ブログランキング | 話題のタグを見る
アメーバピグの役半年間12
■#12 スイーツ・水恋■

ハロヲタタケルとの出会いは、実り無きピグ界での活動に
ささやかながら潤いを与えました。
彼と私は連日連夜に渡り℃-uteのマイマイについて語り合い、
時には知識を深め、時にはユーチューブにあったPVを褒め称えました。

ドルヲタというものには縁が無かった、いや、正直関わりたくはなかった。
あれらはカルトの薄気味悪い偶像崇拝となんら変わらず、価値観の違い過ぎる
生き物だと思っていました。だが、それは正しくもあり、
所詮は一面でしかなかったのです。彼らは語り手なのです。
己が信じるアイドルの語り口は"物語"そのもの。
その語気には苦難と悦びに満ち、なんと豊かな表現力を持つのでしょうか。
もの語らぬ隠者や目的無き放浪者と時を過ごすよりも、
俄然私の興味を惹くに至りました。

この日々は、私の中でドルヲタの評価を飛躍的に上げましたが、
年始に入って愕然と評価を下げる一件に見舞われます。
それはまた別のエピソードの後日談に回すとしましょう。

さて、毎夜毎夜萩原舞談義を繰り返し互いの理解が深まってきた
ある日の事です。相変わらず待ちガイル戦法を決め込み、
常に部屋で待機状態から訪問者を待ち構えるスタイルで
マッタリしていた私は、なんとなくそれも飽きてきたのか、
こちらから仕掛けてみようと"ピグトモがいる場所に行く"機能を
使ってみる事にしました。
てきとうにピグトモリストの上から順に試しますが、相手が
カジノでゲーム中であったり釣り場で釣りゲーム中であったり
よくわからないイベントで演説中であったり、どうにもタイミングが悪く、
面白い場面になかなか遭遇しません。
そういう日なのだろう、と諦めかけ、最後にタケルを巡回して終わろうと思い、
タケルのいる場所へ移動してみると・・・

なにやら知らないピグの家に移動しました。
そこにはいつもながら普通を地で行くタケルのピグ、
そして女の子のピグとそれを囲むように男のピグが3体。
なにやら深刻なムード

「うち」
「騙されたわ」
「信じてたのに」

一番深刻な雰囲気を発しているのが、3体の男性ピグを取り巻きのように
連れている"水恋"という女性ピグ。

「もう忘れろって」
「あんなやつ」
「より」
「俺がいるだろ」

私と同じ海賊帽子を被ったイケメンがいる。取り巻きの1人のようだが、
どうやら水恋にガチでお熱の様子の男性ピグ"王くん"。

「そうだよ」
「ピグトモ切ったし」
「もう会うことないよ」

積極的な王くんを更にサポートするように水恋をなだめているメガネイケメン。
なにやら2番手ポジションを匂わせる取り巻き2人目"だいすけ"。

「うん」
「そうだよ」

相槌を打つのか、それとも語彙が少なく反応できずテンポが悪いのか、
文字通りの三番手をキープしているのか"ジャクソン"。

「騙されたって、何かされたの?」
「何か取られた?」

やはり見積もったとおり二十台半ばあたりか、中では年長さが
滲み出ている我らがタケルの冷静な状況確認。

「ピノぜッッッッッッッッッッッッ対」
「ゆるさないーーーーーーーーーーー」
「あたしのこと」
「好きだとか」
「全部」
「嘘吐きだっっっっった!!!!!!!」
「あたし」
「捨てられたのーーーーーー!!!!!!」
「いきなりっっ」

文字の雰囲気では発狂している水恋。
これだけでなんとなく状況を掴んだ私は、
更なるカオスを与えてやろうと乗り出します。

「よう、タケル」
「なに、ピノと知り合いなのそこのお譲ちゃん」

「え・・・? ピアさんピノのこと知ってるんですか」

「ああ、知ってるよ。ピノは俺の舎弟だ」
「また何か悪さしたのか?」
「いやあ、すまないねえ。いつもキツク言ってはあるんだがね」
「代りに私が謝ろう。あれはあれで根はいい奴なんだ」
「許してやって欲しい」

「はあーーーーーーーーーーー????????」
「おまえピノの仲間なのーーーー」
まだまだ荒ぶる水恋

「いいや、ピノが俺の舎弟だ。対等ではないよ、むしろ私が上司だよ」

「ってかおまえ誰」

「俺はタケルの愛人だ。日常的にキスで挨拶を交し合う仲だ」

「ちょwwwwピアさんwwwww」

「はあーーーーーー?????」
「タケルはホモじゃないだろーーーーーーーー」

「俺はタケルの寝癖の悪さも知ってるがな」

「おいwwwwwwwwちょwwwwwwwやめて」

「それよかピノだろ? 何された? ネット上か?リアルか?」

「ピノの仲間に」
「話すことなんてないっ」
「しね」

「お譲ちゃん、言葉遣いがおだやかじゃないね」
「どうせピノに一方的に切られたんだろう?」
「俺からピノに叱り付けることだってできるんだぜ。いいのかい?」

「ばーか」
「しね」
「ピノの仲間とか」
「しね」

「おやおや、嫌われたものだね。まあいいさ」
「タケル、昨晩の続きをしよう。また愛し合おう・・・」

「ちょwwwwwwwwちがうからwwwww」

「もういいっ」
「みんな嫌いっっっっっっっっっーーーー」
「帰る!!!!!!!!!!!!!!」
部屋から消える水恋。

「まってー すいれーん」
なさけなく追う取り巻き3人衆。
部屋にはタケルと私だけとなった。


「ピアさん、本当にピノのこと知ってるんですか?」

「いや、ぜんぜん」

「なんであんなこと言ったんですか?」

「俺、ピグじゃ無名だしさ。なんか猛威を振るってる奴に乗っかっていけば」
「勝手に知名度上げてくれるじゃん。悪名も裏を返せば知名度だからね」
「嘘とはいえ、そのピノって奴の更に上位に俺が居るって設定が」
「あのお譲ちゃんと取り巻きに根付いたろう?」
「これは炎上マーケティングの法則を利用した、立派な売名方法さ」

「入ってきてすぐにそれを思いついたんですか・・・」

「名前が近いから割と信じ込ませられるかなって思ってさ」
「そしたら予想以上だった」
「はははは」

「凄い頭の回転ですね」

「ボードゲームをやってれば、それぐらいの機転が利くようになるさ」
「どうだい? タケルもごきぶりポーカーあたりからやってみないかい?」

「どういうゲームですか?」


この時発動したブックオブジエンドが、まさか予想外の方向に
波及していくとは、この時誰も予想しえなかったのです。
そして、取り巻き3人衆もこの後、アーサー王伝説の円卓の騎士のように
個別エピソードで活躍することとなります。更にこれがキッカケで
タケルはごきぶりポーカーをお買い上げ。
後編 -水恋の秘密-に続く。
by souka_t | 2012-01-14 08:51 | 長期レポ | Comments(4)
Commented by まぼ at 2012-01-14 14:45 x
前後編だと…なんという生殺し。
Commented by souka_t at 2012-01-15 05:53
かなりシャレにならないことになる後編もがんばります><
Commented by きむぺ at 2012-01-16 04:03 x
おやおや、鳳雛先生、みごとな策ですな(´ω`)ほほほ
Commented by souka_t at 2012-01-16 06:30
連環の計は成功です。あとはやつに風の向きを変えてもらいましょう
<< 【同人ボードゲーム】百年戦争 試作 プロ仕様ラーメン >>