第122回芥川賞受賞作品。
まごう事なきホモ小説。
日常系のホモ作品とでも言うべきか、
まず主人公がホモ。他の登場人物も主人公の相手のホモと
トランスセクシャルで女になった元男、あと女2人と犬一匹。
メインキャストの半数がホモ。
象徴的にホモを扱ってるかと思いきや、
ガチなホモ視点で日常が綴られてる。
文章は柔らかく、読めば「ああ、ホモも割と普通だな」
と思えるほどに妙な親近感を覚えるところが
この作品の最大の魅力なのだろう。
視点がホモの主人公になったり、女の友達になったりと、
若干の異形と普通の切り替わりによって両方が日常に
溶け入る様は面白く、どこかのどかな雰囲気だ。
本物のホモもたぶんこんな感じなのだろうと思わせる
妙なリアリティが良い。ホンモノは見たこと無いけどね。