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アメーバピグの約半年間09
■#09 もえとりっちゃんと謎の組織■

蘇州の歌う海賊は一段落し、イベント見聞も飽きてしまい、
部屋チャットに従事する日々が続きました。

数々の遊びが用意されているピグで、
結局行き着く先がチャットツールとしてのピグ。
思えばMMORPGのウルティマオンラインを
プレイしていた時も同様で、数々の成長要素や
収集要素を差し置いて没頭してしまったのはチャット要素でした。
あの時は世界と膨大な小道具が整備されていたので、
演じる楽しみを得ることは容易でしたが、ピグはそのあたりの
楽しみに薄いのが困り所です。和洋折衷様々な小道具を
取り揃えているものの、そのごちゃまぜ感により世界観の
共有は不可能なのです。しかし人によってはそれがピグの魅力なのでした。


ある日、部屋で誰か来訪するのを待ち構えていると、
以前海賊団の一員だったピグトモの"もえ"が来ました。

「やあ よくきたね。まあ座りなよ」

「おっす」
「ピア」
「最近」
「船にいないね」

「ああ、ここにいれば誰かしら来るからね」

「そうか」
「ねぇ」
「ピア」
「本当に小4?」

「小4だよ」
「イナズマイレブンが大好きな普通の小4さ」

「ふーん」
「そうか」
「わたしのが」
「1つ」
「年上だね」

「そうなるね。もえはピアさんより1つお姉さんな訳だ」

「あ」
「もう」
「行くね」
「またね」

「はいまた」

もえは会話をすぐに切り上げていつもどこかへ行ってしまう子でした。
小学生らしいと言えばらしい、なんとも落ち着きの無い子です。
落ち着きの無さというものはほぼ躾けによるもので、
いい歳した大人でも一定数落ち着きの無い人はいるものです。
じっとしていられない人を見ているといささかイラつくのは、
おそらくわたしが俗に言うA型人間というものだからでしょうか。
故に次の行動に及んだのかと思います。追う事にしたのです。
ピグには【任意のピグトモと同じ場所に移動する】機能があります。
それを使い、もえを追跡すると・・・
そこは"りっちゃんという人の部屋でした"。

「あ」
「ピア!」
「きちゃったの」

驚くもえ。

「え 誰?」
「もえの友達?」

新キャラりっちゃんの第一声と第二声。

「やあ、きたよ」

「りつ」
「この人は」
「ピアって」
「いうの」
「小4」
「だって」

「もえ、紹介ご苦労」
「そちらの美少女の紹介も願おうか」

「りつは」
「もえと」
「同じクラス」

「リアルでかな?」

「うん」
「そう」

"もえは便利な女だった"こう書くといやらしいから
日本語は奥が深い。もえは紹介役をこなした。

「ピアか」
「よろしくたのむ」

りっちゃんがそう言うと、なにやらウインドウが1つ開く。
それはコミニュティへの招待でした。
コミュ名は「相棒」

「これは?」

「入ってくれピア」

なんとも不思議な子でした。何度か初対面でコミュに
招待された事がありましたが、どれもくだらなそうなもの
ばかりでしたので、体よく断り続けて来ました。
しかし、彼女はいささか他とは異なるオーラがあります。
何と言いますか、なにか渋いのです。
"○○好き集まれ"とか"○○押し"とか"○○ファンクラブ"
といったありふれた名前には無い響きを持つたった二文字
「相棒」。なんとも渋く、なんとも直接的、それでいて
誘うタイミングの良く分らなさも相俟ってつい、
参加してみたくなる自分がそこにいました。

「いいんですかい、あっしみたいな流れ者を入れちまって」

「ああ、ピアは役立ちそうだからな」

「そんなにこの小4を高く見積っていただけるんですかい」
「なら、盃を交わすのもようござんすかね」
「よろしくおねげえしやすよ ボス」

「よし、俺達は今から相棒だ」

「ピア」
「りつに」
「気に入られたね」






海賊オヤジから謎の組織の構成員へとロールプレイが変化した瞬間でした。
そして明くる日。ピグにログインするとすぐにりっちゃんが
部屋に来いと召集をかけます。


「きやしたぜ ボス」

「きたかピア」
「今日はな、イベントを潰しに行く」
「俺ともえとピアで一気に荒らす」

「かちこみですかい、リア充どもを血祭りに挙げてやりやしょう」

「よし、じゃ行くからな」
「すぐに後をついてこいよ」

「へい、わかりゃした」

「うん」
「すぐに」
「同じ場所」
「いくよ」

突然の展開。いきなり穏やかならぬ事を言い出す組織のボス。
先陣を切る見事なリーダーシップを発揮する彼女の行く先は、
パーティー会場のようにピグがひしめく中規模部屋。
イベントの名は"イケカワあつまれ"

「よし分かれてやるぞ」
「行け」

ボスの合図と共に部屋の四方に散る構成員。
一体どうやってこのイベントを潰すのか?と、
とりあえず二人の出方を観察する事にしました。
すると、二人は

「                    」
「                    」
「                    」
「                    」
「                    」
「                    」
「                    」
「                    」

ひたすらに空白のフキダシを出し続けます。
チャットログが一気に埋まり、もくもくと出る
フキダシも視覚的に邪魔です。
これはピグの荒らしとしてはよくある手口。
しかし、【このピグを非表示】ボタンを使えば、
簡単に対処できてしまうので、手口としては低級です。
しかも手動で入力しているらしく、フキダシの出方に
ムラがあります。

「ちょっと用事が出来た」
「しばらくほうちするから」
「少しおまえたちに任せる」

ボス、突然の戦線離脱。

「あ」
「わたしも」

もえまで離脱。
二人とも飽きてしまったのでしょうか。
さすがは小学生です。
その自由奔放たるや大空を渡る雲の如し。
途方に暮れたわたしは、イベント部屋内のピグの
プロフィールを1人1人確認し、面白そうな人を探します。

名前:啓一郎
紹介:中2サッカー部所属 仮面ライダー好き
   好きな曲ボカロ

これはおあつらえ向きだと言わんばかりのプロフィールを発見し、
早速接触を図る事にしました。

「よう、ケーイチロウ」
「フォーゼなかなかよくね?」

「えw」
「ライダー好きなんですか?」

「日曜といったらライダーとプリキュアだろ」

「wwwwwwそうですね」
「プリキュアは分らないけど」
「ライダーはずっと見てます」

「まぢでー、ケーイチロウはどれ好きよ」
「ピアさんは龍騎と555」

「古いっすねwwww」
「俺 オーズ好きです」

いけてるかわいい集団の部屋の一角で展開される
仮面ライダートーク。元々主催者に主体性が無いのか、
入ってきたピグ達はこれといった話題を持たずウロウロ
しているばかり。この異様に盛り上がってる啓一郎氏と
わたし以外は沈黙し、次々と部屋から消えていきます。

「なんかみんないなくなっちゃいましたねwww」

「問題無い、俺はここに居た奴ら全員とピグトモになる男だ」

「なぜフォーゼwwww」
「ぁ、俺もそろそろ風呂なんで」

「おう、またな。日曜は早起きしろよ」

「はいwwwwwww」

部屋には、わたしと放置しているりっちゃんのみが残っていた。
放置する振りをして他に遊びに行ってしまったもう1人の構成員は
戻って来ず、わたしはひたすらボスの帰還を待った。

「ただいま」
「誰も居なくなったのか」

「ボス、あっしのハッカー技で全員を追い出しやした」
「今頃ここでイケカワ気取ってたアホウどもの家に」
「20人前のピザが届いて大慌てしてることでやしょう」
「楽勝でござんした、ああ、敗北を知りたいでやんす」

「そうか よくやったな」

「ボス、もちろんあっしのこの働きに報酬はあるんでござんすよね」
「こう見えてもあっしは潰し屋界隈じゃちっとは名の知れた使い手でござんす」
「まさか・・・無報酬ってことは・・・ねえでござんすよね」
「この世界で払い逃げはどうなるか、わかってやすよね」

「ああ そうだな」
「報酬な 分った 次までに用意しよう」

気の向くまま"仮面ライダーの話だけをし続けた"功労者がそこにいました。
その後、りっちゃんから一方的に召集されアゴで指図される事は
無くなりました。それでも3度ほどイベント潰しに動向しますが、
結局この謎の組織が何なのか未だによく分りません。
りっちゃんが街からつれて来た柔道ができる女性を面接する
のに何故かわたしが副面接官をさせられるエピソードもありますが、
これは気が向いたら語るとしましょう。

この時期の所持アメ 750
by souka_t | 2011-12-23 04:53 | 長期レポ | Comments(0)
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