第62回芥川賞受賞作品。
戦前に大連で生まれ、日本に渡り大学入学まで暮らし
戦中に大連に戻ってきた話・・・でいいのかな?
結構時系列が飛び飛びで前後関係が希薄かつ、
すぐに深層心理を物に例えて陶酔しちゃう感じの文体なので、
なんとも掴み辛い。我ながらこういうのには慣れてないな。
これって小説なのかなって首を傾げる内容なのだけど、
清岡卓行先生を調べてみると、詩方面の人だったみたいですね。
だとすると少し納得。
これはワタクシ小説な訳で、この陶酔感もモロ自分語り調で、
なんか読んでいて入り込める余地が無いというか、
ベラベラ自分語りされてる感が強いです。
でも、所々大連出身者からの戦後がどう映っていたか、
そういったものが感じ取れて面白くはあるんですが、
全編に渡って断片的なので、読み手を必要以上に
振り回す所はいかがなものかとも思う。
最後におもむろに女性を登場させて、
くっ付けて終わらすという閉め方もどうかと思う。
当時の選評で、石川達三先生の言に全面同意したい。