前巻の『人間失格』を下地とした物語に引き続き、
今回はエミリー・ブロンテの『嵐が丘』に擬えたものになっていました。
残念ながら自分は『嵐が丘』を読んだことが無かったのですが、
それでも二転三転する展開は充分楽しめるもので、
前巻からの期待通りなかなか読ませる一冊でした。
前巻に比べて、文学少女・遠子先輩のコミカルな面がより一層引き立ち、
ライトノベル然としたキャラの立ち様でしたが、
今回も最後はキメめるところはキメたといった感じで、
素晴らしい文学少女っぷりでした。
前巻同様ミステリー要素があり、
暗号や『嵐が丘』をベースとした濃厚な人間関係の謎かけなどは
前巻より仕掛けが凝っていた印象があります。
自分が『嵐が丘』を知らないせいか、ちょっと濃厚過ぎて
読んでて疲れたほどでした。
だいたい中盤ぐらいでオチは見えてきましたが、
後日談で語られる意外な人物の意外な関わりは最後まで全然読めませんでした。
全体的に先が気になる話で楽しめたものの、
前巻の『人間失格』の本文をベースにした物語と比べると
若干凝り過ぎな感がありました。
結末も解決の爽快感より、走リ続けてようやく息をつく安堵のような
重苦しさからの解放感が強かったです。