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小川洋子【妊娠カレンダー 】
第104回芥川賞受賞作品。

タイトルどおりの妊婦観察記なので、
これこそ興味本位で読んでみたってところですか。
思い返してみれば、周りで妊娠した方がいなかったので、
リアリティのほどはよく分からんのですが、こういった話は
新鮮でした。

全編に渡って妊婦の姉を観察する妹さんからの視点で語られ、
話の後半あたりから妊婦の姉にジャムを作って
あげる場面があるんですが、これが個人的には印象に残った所。
ジャムというと、パンに塗ったりするアレのソレな訳で、
そのジャムをそのまんまバクバク食べます。
自分は以前、ジャムをコップに注いでゴクゴク飲む生物を
見たことがあり、真っ先にそれが浮かんだわけなんですが、
ジャムってこう割と西洋では飲み物として扱われたりして
るんですよね。
ちなみに生物とはムーミンのことです。

それにしても、後からグーグル先生で裏付けしてみたんですが、
妊娠にまつわる妙な知識がついてしまいました。
もうね、いつでも周りで妊娠してみろって感じですよ。
嘘、面倒そうだからやめて。

とりあえず短めの話で読みやすいけど、
面白くは無いかな。
最後の最後で"破壊された姉の赤ちゃん"
っていう表現を使ってたけどどういう意味なんだろう。
ここだけ異常に浮いてるよね。
響くほど鳴き声が聞こえていたから流産は無いし、
妊婦の姉が壊れたとも思ったけど分からない。
全体的に冷めた言動が多い登場人物達と相まって本当に後味が悪い一節です。
by souka_t | 2011-07-30 18:19 | 文学 | Comments(0)
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