先週に図画工作して作り上げたミクロプルを、
昨日心行くまで対人プレイしたので、その感想。
作っている時は、まあそこそこ面白いんだろう程度に
軽く期待していたんですが、実際に遊んでみたら
大変なものをこしらえてしまったという驚喜や歓喜に沸騰しました。
はじめに書いてしまえば、このゲームの完成度は桁違い。
何と言うか、アナログでありながらデジタルゲームっぽくあり、
運と読みと選択の兼ね合い具合が洗練されていて、
時には囲碁のように時にはパズルのように、
右脳を刺激するこのゲームは余りにも美しい。
大袈裟かもしれないが、このゲームは日本でもっと
広く遊ばれてもおかしくないぐらいのポテンシャルはあると思う。
2人対戦のゲームとして語るなら、個人的にはバトルラインより
更に上の評価を付けたいところだ。驚愕するほど面白いんだよこれが。
どれぐらい面白かったかと言えば、今すぐ周りの人間全てに
このゲームを勧めたいほどだ。 騙されたと思って画用紙かなにかに印刷して
作ってみてほしい。面白ければラミネートやら厚紙仕様にすればいい。
作り方の詳細はミクロプルでググれば出てくる。
さて、ゲーム自体の感想だが。
配置・陣取り・獲得の三要素がカラクリ人形のように噛み合ってる所に驚愕。
配置は、連結ゲームになっていてカルカソンヌのタイル配置にとても近い。
陣取りは、展開上大きくなるであろう地盤を定めて自らの手牌を持ってして
拡張し、時には相手の拡張を阻止するという発展・妨害ゲームで、ここだけ
取ってもちょっとしたアブストラクトっぽい。また、陣地は点数に変換する
ために閉じなくてはいけない。このあたりはパズルゲームっぽく、
昔懐かしのランパートの城壁修復フェイズによく似ていて、
物凄くデジタルゲームの匂いがする部分でもある。
獲得の要素も変わっていて、特殊な記号が連結されると"場の山"から
タイルを取り"自分の山"に加えてから、更に手番のアクションを費やして
"手牌に入れる"という一見回りくどい方法でタイルが回るのだが、
この獲得の段階が実質1手番を消費するため、絶妙なジレンマを生んでいる。
また、特殊な記号を結合させることにより行動回数が増えるため、
その増えた分を獲得に費やすという戦法も取れる。
むろん増えた行動回数を全部費やして陣地拡張を促進させることもできる。
この行動回数が増えるというルールも時として手牌と絡めた見事なコンボ
を生み出すため、ぷよぷよのような連鎖の爽快感を得られる。
全体的に軽過ぎず重過ぎず、時として長考も有りという、
カジュアルとハードコアの境目に上手く座り込んだゲームという感じだ。
その絶妙さ加減を是非味わってみてほしい。
ちなみに、なんとこのゲームは1人用にも対応している。
1人用の時は行動が増える特殊な記号の意味がなくなってしまうが、
対人に備えての練習には充分。そしてスコアアタックとしての面白さも充分。
無機質なゲームゆえに華やかさが無いのが唯一の欠点かもしれないが、
それを補って余りあるシステム的な美に溢れている。