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綾辻行人・殺人方程式&緋色の囁き 感想


綾辻作品を初めて読みました。
評判の良い館シリーズじゃないの?と思われるかもしれませんが、
図書館にあったのがこの二冊だったのでこれに。

二冊とも、日を置いてに3~50Pづつ読み進めて、
合間に自分なりの考察を入れて犯人を予想しましたが、
見事に外れました。いやはや、二作とも想定外の結末。

共通して"動機"に振り回された感がありますね。
登場人物の背景を順々に見せられて、
理由がある人物達に釘付けにされ、終盤の消去法の段階に至っても
犯人はノーマークでした。
判明した瞬間は「え!?おまえかよ」と思いましたが、
殺人方程式では種明かしをされて割と納得。
緋色の囁きはそんな伏線分かんねーよって感じでした。

殺人方程式は大仕掛けとまさかの結末、
緋色の囁きは女学院のサイコホラーとトンデモ結末、
両作とも大変読みやすく、秋の夜に読むミステリとして最適でした。




ー以下ネタバレ感想ー








■殺人方程式
トリックがこれぞトリックって感じの大仕掛け。
古めかしくもあり、王道的でもあり、考えながら読むのが
大変楽しかったです。
正直、終盤まで犯人は 岬 映美 かと思ってました。
トリック上マンションと教団本部の構図を熟知してる必要があったし、
現場のマンションに通っていて仕掛けを用意できる人物って彼女ぐらいしか
いないかなあと。光彦君に接触したのもこのためで、響の前彼女という設定も
意味があってそうなるのかなあと。 全然違ったね。くやしいっ


■緋色の囁き
サイコホラーな連続殺人で、どうにも犯人は"殺し慣れ過ぎてる"と思った。
とりあえず華奢な女生徒と、いかにも怪しい校長は目星から外して
中盤~終盤と読み進めたけど、見事に犯人も目星から外れてた。
保険室の先生や藤原刑事ですら視野に入れてたのに、ホントくやしいっ。

今更お恥ずかしい読中の予想だけど、
実行犯は委津子で黒幕は俊記かと思ってた。
俊記は最初に死んだ妹とマメに連絡を取り合っていたし、
死亡した晩も電話していたよね。これが大きな伏線かと思ってたんだよなー。
電話で裁判委員4人と綾さまのことを実は知ってて、
妹を殺したのは5人のうち誰かというところまで目星が付いてた。
そして、なんらかの方法で委津子を脅して内部実行犯に仕立て上げた。
委津子は他の女学生と比べて体格が良いという描写が何度もあったから、
絶対そういう伏線かと思ってたんだよー。見事に全部違ったね。くやしいっ。
穴は最後の解決編で埋めてくれるだろうと思って、割と良い予想だと思ってたんだよね。
いやはや、「誰かに似てる」って伏線は普通に血筋の同じ校長に似てることを
指してるかと思って完全スルーだったわ。夢の描写も全部が冴子のものではないとか
気づかないだろー普通。 いやーしてやられたけど面白かったよマジで。
また綾辻先生の作品を読みたいと思いました。
by souka_t | 2010-11-26 17:59 | ノベル | Comments(0)
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