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コエブの一年間 02 枝分かれの兄弟
このお話はあんまりフィクションじゃないです。
登場する人名は現実の人名とは変えてあります。


人の心は移ろいやすい
日々に永遠は無い
日々には変化がある
どんなに同じ日々を送ろうとしても
そこには微弱な変化が生じる
永遠などはこの世には無いのだ、
そう、インターネットにも。



ある時、一匹のウサギは1つの部屋の常連であった。

「おすおす、ユウすけ、今日もはじめるとするか」

入室一番に定型な挨拶を交わし作業体制をとる。

「ピアさん!今日もきてくれたんかー」

部屋の主の名はユウ。
ショタ声を売りにしてる女子高生で、
本人は頑なに男性と言い張ってライブ部屋を回している。
だが、声はどう聞いても女の子でしかない。
1つ前のエピソードのほも先生もだが、
コエブにいる中学生高校生はこの手の"男子になりすましたいガール"
が散見される。明らかに4~5年後には消し去りたい記憶に
なるであろう愚かしく痛ましい行為だが、こういう思春期ならではの
アレな活動を見学するのも若者の生態研究の一環ともなる。
よってこれらの愚行を否定するどころかあえて背中を押して
もっとイタタな事に足を突っ込ませるぐらいの研究熱心さを
ウサギは持ち合わせていた。
いつもなら、もっとやれもっとやれ、イケメンきたあああ など、
より一層調子付くようオタ芸ばりの外野コールを送るのだが、
ユウの場合いささか事情が異なった・・・・・・。

「今日は跳箱を元気よく飛んでる構図にするか、性別は問わない
やりたいほうでやれ、よし、早速はじめろユウすけ」

「はぁ~い、用意しますわー」

ウサギが指示を出すと、ガサゴソとマイクがユウの動作音を拾う。
しばらくすると鼻歌交じりでユウは作業を始める。

「ユウすけ、おまえさんまだ男の振りなんぞして、くだらん悦に
浸っては毒にも薬にもならん雑談なんぞしるんけ」

「ピアさん、他ではあんなに盛り上げ役に徹するくせに、ボクには
容赦無いんやねー」

「こう見えてピアさんショタ声にはうるさいのよ?
線の細い女の子みたいな男の子がショタだと思ってるなら、
そいつは大きな間違いよ、ショタってのは無邪気で奔放で、
小汚く落ち着きが無く、すぐむきになる、それでいてまっすぐな目をして、
ありとあらゆるものに無限の興味を示す、そういうものをショタと
いうのよ、そう、そういうものを少年というのよ・・・」

「はぁ、それじゃボクのショタ声はダメなんか~?」

「だめだだめだ、ユウすけのショタ声なんぞ、そこらの中学生でも
できる、ただの"アタシの思う男の子のマネ声"でしかない、
ショタを名乗るには綺麗過ぎる、かわい過ぎる、それじゃあただの
声色を低くしただけの女の子でしかない」

「えええー ショタってそんなに深いもんなんー?」

「ユウすけよ、ショタは中途半端に手を出すと火傷どころでは
済まなくなるぞ・・・・・・ショタをやるにはおまえさんじゃ闇が足りない、
そう、ピアさんのような深い深い闇が、だ」

「なんよそれー」

「そんなことより、描けたんけ?」

「いや、まだやけど」

「ユウすけ、おまえさんの声真似なんぞそこらのアホウどもの
 馴れ合いの前ですら埋もれる程度のものだ、だが、おまえの絵は
 違う、おまえさんの絵だけはたいしたもんだ、線画に於いては
恐らくコエブ内では三指に入るだろう」
「着色込みではまだまだ、十指にも入らないが、ポーズセンスだけは
 他を凌駕するズバ抜けた才覚を持っている、ピクシブの作品群は
 たいしたものだった」
「一枚絵では他には及ばないが、恐らく漫画を描きはじめれば他を
圧倒するだろう、それにはまず、手が早くなることだ、もっと描いて
描いて描きまくって描き慣れろ、即イメージして即手を動かせ!」

「ピアさん 持ち上げすぎやー ボク絵は好きやけどピクシブで
 2~300点とかもらうのが限界やて」

「ユウすけ、世に出ろ」
「自らが作品で世界を展開し、生の人間に揉まれて来い
ネットは広大なんてのは妄想だ、引き篭もりの逃げ口上だ、
根拠の無い自信で本当はたいしたことの無い人間が陥りやすい
幻想でしかない、おまえさんは現実でもやれる、その気になれば売れる
ものが描ける」

「引き篭もりって、痛いところ突くなあ~」

「たまには学校いかんと駄目やぞーう ユウすけー」


ユウは登校拒否児だった。
ウサギはこの登校拒否児と2~3日に一度ライブ部屋で会い、
ひたすらお題のお絵描きに没頭していた。
構図を指定し、ユウが描く、
即興で考えた設定を挙げ、ユウが描く、
シチュエーションを指定し、ユウが描く、
ユウが描き、ウサギが塗る、
ユウが描き、ウサギが別案を示すために描く、
ユウが描き、ウサギが画像合成をする。
ユウが描き、ウサギが無駄にドット化する。

ウサギにとってはコエブでもっとも楽しき日々であった。
だが、長く続くと思われた日々もあの男が現れてから変わって行った。


「お邪魔するぜーーー!!!部屋主イイ声じゃねえかー俺の嫁になれっ!!」

突如として、ハイテンションな男が入室してきた。

「えええー ボク男ですよ~」

まだありふれた男の子設定にこだわりを持つユウ。

「ハハハー わしは騙されんぞー どう聞いても女子の声じゃーー!!」

「あの、お名前はなんてお呼びしたらいいんですか」

「フフフ、これはカラスと読む」

この男、楽良須と書いてカラス。
この後数日に渡って通い詰めユウの部屋の常連となった。

そしてある日、ひょんなことからカラスが台湾人であることが明かされる。
言われるまでまったく分からないほど、カラスの日本語文章は完璧であった。
こういったコミニュティにおける日本語が上手い外国人の大半は
アニメ好きであるが、カラスもまた例に漏れず日本のアニメが好きな外国人
であった。台湾人と判明してからカラスはウサギの興味を引き、
カラスが加わったことにより部屋の内容は雑談に傾いた。


「ユウはわしの嫁だからな、無論良妻賢母、頭脳明晰な嫁に違いあるまい」

この男の"俺の嫁"のノリもはじめはアレな感じだったが、
次第にユウもウサギも慣れたのか、それが日常風景のようになっていった。

「カラス殿、ユウすけは希に見る天才、7歩あるくうちに詩を1つ完成
させることも容易ですぞ」

ウサギは一見口からでまかせのような言でカラスに絡んでいく。
だが、これは緻密な"品定め"であった。

「いやいやいや、無理やから」

ユウは真に受け謙遜。
だが、カラスはその意図を看破したのか、勢いを殺し辛辣な口調となる。

「なるほど、曹殖か」

「ええ、やはり三国志の故事をご存知でしたか」

「知らないわけが無い、特にその逸話はな」
「曹殖 七歩詩、豆の歌だな」

「ええ、そうです」

「兄弟に7歩あるくうちに詩を詠わねば処刑すると宣告され、
曹殖は見事に詩を1つ詠う、それが豆の詩だな」
「豆は植えて育てばみるみるうちに伸び枝が分かれる、
だが、その多く分かれた枝も、元は1つ」
「曹操の子らも元々は1つ兄弟は1つであったのに、今は喧嘩どころか
殺し合いをしている、曹殖は昔のように兄弟仲むつまじくありたい
という気持ちを豆に例えた名詩だ」

「お詳しいですねカラス殿」

「枝分かれの兄弟、それは我々台湾人も同じなのだよ」
「元は一つ、我々とて中国から枝分かれして今があることを
充分分かっているのだ」
「台湾の歴史の授業は古代中国の王朝からはじまる、
中国から抜け出た枝が我々だ、時には枝元と敵対し外敵と手を結び、
時には枝元に尻尾を振り、外敵からの難を逃れようとした、
我々は時勢ごとにあちらに付きこちらに付きを繰り返してきた、
皆が皆、何をやってるんだろう自分達はと疑問を持っている、
豆の詩のように、枝分かれた我々は何をしているんだろうと・・・・・・」


カラスの語りに部屋は静まり返った。
この一件から、ウサギはカラスにより一層の興味を抱いた。
そしてあくる日


「カラス殿、もしやこのような詩をご存知かな」

ウサギはカラスが入室してくると気鋭を制して問いかけた。

「問世間 情是何物」

ウサギが漢文を唐突に投げかけると

「直叫生死相許」

カラスはすかさず続きの漢文を返す。

「ははは、カラス大侠、あなたのような人物とこのような場で
お会いできるとは思いませんでした、どうかこの若輩者に叡智を」

「ふふふ はははっ 日本人からそれを聞くのははじめてだ
兄弟、困ったことがあればいつでも聞くがいい」

「では早速お言葉に甘えて」
「最近、中文のカードゲームを購入しましてな、どうしても・・・
翻訳できぬ部分やニュアンスがわからぬ部分がありまして」

「いいだろう、画像でよこせばわしが日本語に書き換えてやろう」

「かたじけない、カラス大侠」


この後、ウサギとカラスは意気投合し、
ウサギは日本の女性声優(特に花澤香菜)の情報を提供し、
カラスは台湾で流行った国民的武侠人形劇の話を教え、
互いに知識を高めあった。
それはまさしくコエブにおいて最も楽しき日々であった。
もはやユウのことなど忘れ、連日二人は多くを語り合った。

だがある日、カラスは交通事故で入院してしまう。
事故後病院よりアクセスで報告を受けるが、その後、カラスは
コエブに姿を見せなくなった。

ウサギはユウのことはわりかしド忘れするが、カラスのことは
ずっと覚えていることだろう。


つづくっ
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by souka_t | 2014-11-12 19:40 | 長期レポ | Comments(0)
コエブの一年間 01 犬先生の器
このお話は半分フィクションです。
登場する人名は現実の人名とは変えてあります。



「先生」それは一芸に秀でる者や、ある程度の奇行
を極めたものに送られる敬称である。

「大先生」それは先生の中で優れた者に送られる
称号ではない。大先生は類希なる才覚や発想、
あるいは圧倒的な何かを生まれもってこの世に誕生
してしまったファンタジスタに贈られる称号である。

これから語られる話は、その大先生の片鱗を持った
驚異的な女子高生の物語である。



ある日、一匹のウサギは、ランダム入室でコエブライブに入室した。

「こんにちわーっ! ボク今受けボイスの練習してますっ
どんどんリクエストしてくださいねっ!!」


高音の利いたライブ部屋主の声が響き渡る。
ウサギはその開口一番の内容に目を丸くしたが、
すぐに気を取り直し、接触を試みる。

「おすおす」
「"受け"とはあれけ?掛け算のあれやそれで山無く意味無く
落ちもないあれけ? いわゆる少年ボイスの練習しとるんけ」

そうウサギがテキストチャットで聞くと、部屋主は

「そうっ!ビーエルだよ!」
「あと少年ボイスの練習じゃなくて、ボク男だよ!」
「ボクの名はルカ、君の名前はなんて読むの?」

「ピアさんだよーう」とテキストで返す。

8割の可能性で女の子の声であった。
しかし2割ほど声変わりしてない男の子の声を疑った。
"相手の設定を受け入れる"の法則により突っ込むことはできない。
初回からいきなり原則の適応である。

「ねえ、なんかリクエストしてよ!受けがいいんだよ受けが!!」

ウサギは目を丸くした。
"なにをいってるんだこいつは" そんな目だった。
だが、あえてぶっ込んでいくことにした。

「それじゃー、シチュエーションからアドリブでやってー」
「いぢわるな先輩にぢらしプレイをされて
いてもたってもいられずケツを振る受け犬な後輩でお願いしまっす!」

ウサギは我ながらよく瞬時にこんなリクエストが思いついたと
内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず・・・

「台詞じゃなくてそれを今考えてアドリブで?
お客さんスキモノだねえっ!!じゃあやるよっ!」

「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」

女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な声がライブに響き渡った。
ウサギは初回にしてこの奇妙な状況に首をかしげた。
ここで取らねばなら行動が2通りある。

1.「年頃の子がそんな下品なことをしてはいけないよ」と紳士に諭す
2.「おもしろいッ!大器なり、どんどんリクするぞーい」と背中を押す

→2

前に進むか留まるかを迫まれた時、前進を選ぶのが我らの掟。
崖に突き落ちるまで背中を押し切って進むッ!

「えーっ ホントぉ!いいよいいよもっとリクしてっ!!」

ルカは上機な高音をライブに響かせる。

「次だ、体育倉庫のマットの上に倒されて強引にくちびるを
奪われるも長い首筋攻めに昂揚していく受け犬後輩でお願いしまっす!」

ウサギは我ながらよく瞬時にこんなリクエスト
を矢継ぎ早に思いついたと内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず


「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」

再び、女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な
声がライブに響き渡った。


「更に行くぞ、先輩に新しい彼氏ができてしばらく邪険にされるも
クリスマスの夜になんとかよりを戻して二人だけのイヴパーリィ中
シャンメリー(ノンアルコール)なのに酔っちゃったとか強引に
迫ってきてソファの上で耳タブ噛みで攻められながらますますオス犬
に堕ちていく受け後輩でお願いします」


ウサギは我ながらよく瞬時にこんな意味不明なリクエスト
を思いついたと内心シタリ顔であったが、ルカは一歩も退かず

「アッ・・・アアンッ、ボク、もう、ダメになっちゃうっ・・・!!・・・」

またもや、女の子(おそらく)が男の子の喘ぎを演じる奇怪な
声がライブに響き渡った。


「ほも先生、この若輩者のウサギの耳には、すべて同じに聞こえます!!」

真っ正直に感想を述べるウサギ。

「えー ホントぉ? ちょ、ほも先生ってなんだよー!!!」
「べ、べつにいいけどぉ・・・」
「いろいろ変えてるつもりなんだけどなぁ、どうすればいい どうすればいい?」

「ほも先生、まずは決定的な差異を示すためにシチュエーションから
ワードを拾ってそれを子芝居に組み込んでいきましょう。現状況では
アンアン言ってるだけの受け犬野郎です」

「わかったよピアさん! ボクがんばってみる!!」

ルカ改めほも先生は無駄に素直だった。
それはいたづらに背中を押してみた自らを逆に反省するほどに。
その後、このほも先生キャラはウサギによって多方面へと
コピー・運用されていく。"えー ホントぉ!?"

なぜ、ほも先生は受けキャラが好きなのだろう?その最大の疑問を
あえて残し、コエブの強烈な初回を終えた。


あくる日


昨日はウサギと1対1だったほも先生の部屋がやや賑わっていた。

「あ、ピアさん! 昨日はありがとうっ!!」
「今ボクね、メールにハマってるんだっ!!ピアさんも
メール送って送ってーっ!!」

そう言うと、チャットにメールアドレスが投下される。
他の客は既にメールのやりとりに勤しんでいるようであった。

「ほも先生、このメアドを不特定多数に蒔いてるんですかーい?」

「ちょっと!!人前でその呼び方やめろっ・・・べつにいいけど」
「そーだよー メルトモいっぱいつくるんだー!昨日メアド作ったんだ!」

「へえ、そりゃ友達100人できちゃうといいですなあ」
「ピアさんドリームキャストでネットやってるからメールが
使い辛いんよね、気が向いたら濃厚なストーカーのようなメールでも
送りますよ、震えて待っててください ほも先生」

「いいよーっ どんっどんストーカーしてー!!」


ほも先生は大変無邪気であった。
その無邪気さに一抹の不安を感じ、ウサギは一計を案じて
多少の教訓を叩き込もうと試みる。

しれっとライブでチャットを打ちつつ以下の内容の
メールをほも先生に送信した。

-------------------------

Subject: コエブ運営

平素日ごろよりのご利用ありがとうございます。
声部ライブの使用料金の請求が以下のようになります。

ライブ部屋使用料金 \5,800

月末までにお振込み下さいませ。
直、期日が過ぎますと追加料金が20%が発生
しますのでご注意ください。

ご利用ありがとうございました。

-------------------------


多数の客と戯れながら談笑にふけこむほも先生、
それが数分続いた後、突然豹変する

「なに・・・これ」
「なんか、コエブの請求なんてきたんだけど・・・これって、
みんなのところにも・・・来てるの?」

活発人気美少女が一変して不安青ざめ女子に。

「あー きたきた ピアさんとこにもきたよー!!
コエブ使い過ぎるとえらい金とられるよねー ピアさん週2だわー」

気鋭を制すると、ネタに他も追隋する。

「うちもきたきた コエブ破産とかあるからきをつけて!」

他の客もこれがいたづらと察して乗ってきた。

「えっ・・・ ちょっと、ホントに、やばいんだんけど・・・」
「ママに怒られるよ・・・ネット使えなくなっちゃう、どうにかならないの?」

本気で不安の色を示すほも先生。
さすがにこれぐらいでいいだろうと思い、次のメールを送った。


-------------------------

Subject: Re:コエブ運営

うそぴょーん^^
ピアさんだよーん

-------------------------

多数の客を巻き込んで後悔モードに沈むほも先生、
それが数分続いた後、突然豹変する


「はあああああ? なんだこれぇえええ!!!」
「このクソウサギやりやがったーー」
「ピアさんのいたづらじゃんかこれーー!!」

「てひひ」テキストで不適に笑うウサギ

「どうしてこういうことするんですか?」
「ボク、本気て今、不安だったんですよ」

本気でげきおこぷんぷんなほも先生、
その異常な雰囲気にライブ全体の空気が張り詰めた。

「ほも先生、メアドを誰それ構わず教えるってのはキケンだ、
今のいたづらメールのシャレにならない版がそのうち着ちまいますぜ」


「でも、こんないたづらすることないでしょう!!ピアさんひどいっ」

いつも男の子言葉のほも先生が女言葉になっていたのが印象的だった。
納得できない、そんな雰囲気の中、ほも先生との二度目のライブを終えた。



それから数日後。



「よう、ほも先生」
「どーよ 友達100人できちまったかーん?」


「あ、ピアさん!!こんにちわ」
「あのね、あれから掲示板で変な人のメール登録しちゃって、
いっぱい変なメールきちゃって・・・、それが親にバレて、しばらく
パソコンでメール使うの禁止されちゃった・・・」

「ははん、ハデにやったなん、でもコエブライブはまだやれてる
ってことはパソコン全面禁止は免れたな ほも先生」

「うん、やっぱりピアさんの言ったこと正しかった ありがとうね」


なんと素直な子だろうか。むしろウサギの方がほも先生から
習うべきことが多かったのかもしれない。
この後、ライブに訪れるごとにほも先生は様々なことに挑戦し
ウサギに意見を求めた。
声真似、歌、作詞作曲、絵、ホームページ、数学の宿題、
ほも先生はことごとく三日坊主であったが、
覚悟を決めて購入したPSvitaを駆使し、動画作りの分野で
ようやく開花することになる。 もっててよかったvita

「ピアさんボクの動画リツイートしてよぉ!!」

「やだよぉ ほもと思われる」



つづくっ
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by souka_t | 2014-10-01 02:58 | 長期レポ | Comments(0)
コエブの一年間 00 コエブというセカイ
久方ぶりの長期レポートシリーズ。

今回潜伏したコミニュティは【コエブ】。
昨今ニコニコ生放送やFC2動画など、
手軽かつ個人でライブ動画配信ができるサイトが増えました。
それらが台頭する一方、緩やかに衰退し滅び行く
老舗コミニュティがいくつも存在します。
その中の一つが【コエブ】です。

【コエブ】とは、
音声に特化した投稿とライブ配信のコミニュティであり、
最初期は「声優になりたい」願望を持つ若者が集まる場所
であったが、中期からは「コエブはちょろいの」噂による
出会い厨の大量流入、そして、ボカロ全盛の歌ってみた
ブームに乗った歌いたい人の増加により、そのコミニュティ色
を変えてきた。現在はニコニコ生放送で大成しなかった者の
落ち延び先であり、基本無料がゆえの子供のちょっとした遊び場
となりつつある。
また、有料による特権もあり、課金者は自分の開いたライブ内
にて、他者をMCとして任命しライブ上でお話しすることが出来る。
すなわち、無課金者は基本ソロでライブしゃべりをしなくてはならない。
(スカイプを通してしゃべり合う配信をしてる人もいる)
以前はこの特権も無課金で出来たが、運営の方針により有料となり、
利用者から賛否が飛ぶコエブ史上もっとも大きな転機となった。

三行で表そう

・動画無いけどライブでしゃべれるコミュ
・やや廃れ気味で時代遅れだけど基本無料だから使う人がいる
・しゃべり合って馴れ合いたければ課金

だいたいこんな具合です。

素人目に見ても先細り中で、いつサービス終了してもおかしくない
という末期状態であったため、折角だから滅びる寸前を滅びる前に
堪能しとこうという理由でこの場を潜伏先に選択しました。
投稿関連は手をつけず、音声ライブへの干渉がメインとなります。



■今回の人物設定



・名前はPIA
・人間ではないウサギである
・性別もウサギ
・6歳である 人類で言うところの小1
・ドリームキャストでネットをしている
・ウサギの星の海辺に住んでる

前回の【アメーバピグ】ではオッサンキャラで
びっくりするほど大成しましたが、今回は
完全な架空キャラであり、拙作の青ウサギキャラを
使用し、それを演じる形となりました。
一昔前のインターネットによく見受けられたなりきりキャラ
そのものです。基本的にキャラを崩すことは禁止事項。
このふざけた設定を受け入れる感性の高い人に積極的に
絡んでいく方針となります。


■今回のルール

・相手を否定してはいけない (背中を押すための否定は可)
・性別 場所 年齢の質問をしてはいけない
・年齢は不詳とし常に相手より年下の態度を崩してはならない
・基本的に二窓をしてはいけない
・ライブ配信上でしか絡んではいけない スカイプやライン使用不可
・自ら音声ライブを建ててはならない チャット部屋は可
・基本ランダムで部屋に入る (後に大人数部屋は避けても良いに変更)
・相手も設定を提示した場合は完全にそれを受け入れる
・こちらの設定を受け入れない者は無視リストに追加しても良い
・会話が成り立たない者は無視リストに追加しても良い
・創作の上でなんらかの助けになる者のみツイッタに登録して良い
・期限は2014年内 (後に成果があり早々に切り上げることになる)

基本は相手に気持ちよくしゃべらす。
しゃべる内容から要素を取り出し勝手に創作の燃料にするのが主目的。
ゆえにしゃべり辛くすることはご法度、それはなに一つこちらの益にならない。
相手に気持ちよくしゃべらすことこそ有益である。
ただしその法則によって守られるのはライブ配信者の主のみである。


■終了条件

・飽きたら 惰性になったら
・風評被害に及びそうになったら
・駄々余ってるゲムマのチケット2枚分のスタッフ確保
・宣伝媒体の獲得
・4代目大先生(constable de shownan 4 )の選出




今後の予定エピソード

エピソード0  コエブというセカイ
エピソード1  犬先生の器
エピソード2  枝分かれの兄弟
エピソード3  地の亡者 天の女神
エピソード4  なりたくて
エピソード5  はすミ 前編 second foundation
エピソード6  探偵人狼
エピソード7  ウサギの声
エピソード8  すべてがSになる
エピソード9  ライトスタッフ
エピソード10  コエゲキ
エピソード11  はすミ 後編 attack the muse
エピソード12  死神の音楽
エピソード13  私はあなたを知っている
ラストエピソード  りっちゃんの課題


9あたりが一番書きたいんでそのへんで飽きて終わるだろう
ぐらいの期待でお楽しみ下さい。 超気になる人はゲムマなり
ゲーム会でさっくりダイジェストお話します。遠慮なくどうぞ。
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by souka_t | 2014-09-27 07:00 | 長期レポ | Comments(0)
出会い厨の廃墟潜入
久しぶりにこのカテゴリの記事になります。

今回はツイッターから回って来た
「出会い厨が大増殖して廃墟になった中学生チャット」
という情報を見て、すぐさま潜伏してログを取ってきました。

そのチャットはだいたい2~30人が常時入室状態で、
そのうち過半数が入室してくる女性を待ち構えて
個人メッセージを飛ばしてきます。
試しに「中2病の女の子ミヤちゃん」という設定で入室してみたら、あらすごい、
ものの4~5秒で3人ぐらいから個人メッセが飛んできます。

「こん どこすみ?」  「いくつ?」 「あえる?」

これ、超テンプレ。苦笑いまったなし。
だいたいよくある出会い厨房なのですが、面白いことに
マニュアル化されてどこかで教練を受けたのかというほど、
その文脈は類似し無駄がありません。
黄金パターンは以下の通り

「歳・出身を聞く」 → 「カラオケいこうと誘うor食事いかないかと誘う」 
→ 「ごねると おごるからと言い出す」 → 「さらにごねると やや脅迫的になる」

これ。
過半数がこのテンプレです。
で、このテンプレから外れた ちょっと面白い1例があったので
大いに晒してみようかと思います。

お手数ですが、ログが下から上に流れる仕様だったため
下からお読み下さい。







ミヤ[♀] > 絶対やだーw

にくと[♂] > 二人なら大丈夫でしょ

ミヤ[♀] > 慣れても困るー

にくと[♂] > でも1週間もいれば慣れるでしょ

ミヤ[♀] > よくなーい

にくと[♂] > でもよくない?

ミヤ[♀] > えー 混浴はいやー

にくと[♂] > そうすれば普通にお風呂入れるよ?

ミヤ[♀] > どうして?

にくと[♂] > あきらめたら?

ミヤ[♀] > 手ぬぐいで体中拭くよー

にくと[♂] > 水1回しか書けないの?

ミヤ[♀] > 見えないところで着替えるー

にくと[♂] > どこで服脱ぐの?

ミヤ[♀] > うん もってくw

にくと[♂] > わざわざ水持ってくの?

ミヤ[♀] > 見えないところでするもん

にくと[♂] > でもそうしても結局見えるでしょ?

ミヤ[♀] > オケかりて水浴びするw

にくと[♂] > 混浴しかないところに1週間いたら?

ミヤ[♀] > 混浴は入りませんw

にくと[♂] > 混浴だったら?

ミヤ[♀] > はずかしーからダメw

にくと[♂] > でも一人だけ抵抗すると変じゃない?

ミヤ[♀] > むりかなーw

にくと[♂] > みやもそれなら脱ぐでしょ?

ミヤ[♀] > ラッキースケベw

にくと[♂] > でも、クラスの子脱いだよ?

ミヤ[♀] > わたし小6でブラしてたから 絶対ダメw

にくと[♂] > でも、いえなくない?

ミヤ[♀] > じゃ だめーw

にくと[♂] > 6

ミヤ[♀] > 高学年? 低学年?

にくと[♂] > でも小学生だよ?

ミヤ[♀] > PTAに訴えるw

にくと[♂] > 授業だったら?

ミヤ[♀] > 断固拒絶する!

にくと[♂] > みやも大丈夫?

ミヤ[♀] > ラッキースケベw

にくと[♂] > 女子の胸も見ちゃったんだけど

ミヤ[♀] > んー仕方ないんじゃない?

にくと[♂] > 裸になるのは仕方ないのかな?

ミヤ[♀] > すくない?

にくと[♂] > おおい

にくと[♂] > まあ、結局裸になったからね

ミヤ[♀] > きっといい思い出よw

にくと[♂] > まあ、そうかもね。。。おとといだけどwww

ミヤ[♀] > えっと、それぐらい印象に残ったのかなってw

にくと[♂] > どういうこと??

ミヤ[♀] > 一生の思い出?

にくと[♂] > うん。よく聞こえたよ!おとといやったからよく覚えてる!

ミヤ[♀] > 聞こえた?

にくと[♂] > だからその近くに聴診器あてた

ミヤ[♀] > あるー

にくと[♂] > うん。心臓は胸の近くにあるでしょ?

ミヤ[♀] > おなかに当てて音聞き合ったのねw

にくと[♂] > いちおう、聴診器はお腹に当てなきゃいけないからねえ。。。

ミヤ[♀] > え、そうねw

にくと[♂] > 仕方ないでしょ?

にくと[♂] > うん。

ミヤ[♀] > 他の人たちはまざってなかったんだ

にくと[♂] > 出席番号で男女が混じったのうちだけだったから他の部屋でやった

にくと[♂] > うん。
ミヤ[♀] > お互い聞き合ったの?

にくと[♂] > 4人ひと組だったんだけど、出席番号で女子3だった

ミヤ[♀] > そうなんだー

にくと[♂] > はやかったり、ゆっくりだったり、リズムが違ったり

ミヤ[♀] > どういうふうに違うの??

にくと[♂] > おもしろかったし、人によって違った!

ミヤ[♀] > どうだった?

にくと[♂] > うん

ミヤ[♀] > 心臓の音聞いたの?

にくと[♂] > そうなんだ!俺は聴診器使ったよ!

ミヤ[♀] > 心臓の音はきかなかった気がするー

にくと[♂] > 心臓の音は聞かなかったってこと?

ミヤ[♀] > どんなのだったかな、、、 あんまり覚えてないw

にくと[♂] > そうなんだ!どういう授業だったの?

ミヤ[♀] > でも 心臓の音聞くとかしなかった気が

にくと[♂] > そうなんだ!二人ひと組くらい?

ミヤ[♀] > だいぶ前だから小学

にくと[♂] > 中学校の授業?小学校で?

ミヤ[♀] > 保険のとき聴診器使った気がするー

にくと[♂] > そういう授業したことある?

ミヤ[♀] > え、なにww どいうことww

にくと[♂] > 小学校の時に聴診器使って心臓の音聞いた?

ミヤ[♀] > こんばんわー 中2です

にくと[♂] > こん!何年生?







にくと君の切り出し口に注目です。
聴診器を使った授業をタネに女の子を釣りにかかるなんて、
おそるべきフェチズムを感じます。他のテンプレ厨とは一味も二味も違う
ホンモノ臭がしてくるところに僕は魅了されました。

混浴の話に切り替わり、まわりくどく攻めてどうやって
落しどころ、すなわち、出会いに持ち込むのかな~と
わくわくしてノリノリに相手してたんですが、
途中でスクリプト荒らしが現れチャット停止。
この子はどういう回り道をして華麗な出会い着地をするつもりだったんだろう
と考えると、その日は眠れませんでした。
ただ女の子とえっちな話がしたかっただけなピュアボーイだったのかな
、もっとしりたいな・・・にくと君のこと。
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by souka_t | 2014-08-12 06:47 | 長期レポ | Comments(2)
アメーバピグの約半年間 今後の予定2
残しておいた記録が少なく、そろそろ記憶も怪しくなってきたので
このあたりで今後のエピソードを整理する。


ー蘇州の歌う海賊異聞ー
■AKB大好きトモちゃん■
 小学生にAKB48が浸透していることを実感する話。
 ピグ内アイドルグループの誕生。
■もぐたん■
 抹茶・タケル・エースに続く第四の逸材登場。栽培師アキ氏も登場。 

ースイレンチルドレン編ー
■涙ぐましき男ジャクソン■
 スイレンのことが大好きな男、ジャクソン君の努力の日々。
■秘密の男ダイスケ■
 スイレンチルドレンでもっともモテる男。ダイスケの仰天話。
■その名はアーデルハイト■
ピグ界に巣くう謎の組織とピアさんが総力戦を展開する一大ロマン。
■萩原舞ファンクラブ■
タケルの唯一輝かしいエピソード。マイタン登場。

ー大奥編ー
■大奥戦記■
ピグ随一の人外魔境へと足を運ぶ話。
チョコラン大好きミタさん登場
■くりぼー親子■
大奥で知り合った主婦と娘のお話。

ー社会問題編ー
■ハンナキャンペーン■
もっとも洒落にならない話。当時のログ有り
■星ちゃんと山田君■
ゲーム業界にまつわる新たな言説。
■中華飯店ノワール■
台湾人・韓国人・中国人と語る話。

ー電子の妖精と仲間達編ー
■鈴先生■
とある絵師の黄昏譚 あすぽよー&イナイレ君登場
■星を継ぐ者■
感動の最終回 画像有り
■女厨二病■
ナルトを必要以上に読み込んでいるピアさんが
1人の女性ナルトファンに憤る話。
■スマブラブーム■
キッカケで生きるゲームハードのお話。

ー単独エピソードー
■ファッションリーダー■
ピグ界のカリスマをフルボッコにする話。
■ガンタンク出撃■
藤沢にガンタンクが強襲する話。
■釣り名人との会見■
宣候侠、無常を肴とし、大いに飲み語らうこと。
■vsレディオマニア■
ラジオマニアを黙らせた話。
■風呂屋■
ピグ界にあるお風呂屋での攻防戦。


次の長期潜入を開始したいので、
この中から10エピソードほど選りすぐって完結にします。
もしリクエストがあれば優先的にまとめます。
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by souka_t | 2012-03-11 00:24 | 長期レポ | Comments(4)
アメーバピグの約半年間14
■#14 ミクとサク■


「ピアさんのお部屋ってイスでいっぱい」
「たくさんの子供達がいらっしゃるのでしょうね」

目の前の女性のピグがそう言った。
少しの謙遜に少しのユーモアをブレンドして、
さらりとした言葉でそれに答えた。

「わたしも子供達ともっと仲良くしたいな」

女性のピグが物悲しげにそうつぶやくと、
それはきっと可能であると調子良く答えた。

「わたしにもできるかな?」

簡単であると即答した。

「でもね、今日とっても悲しい事があったの」
「ゲーム知ってる?」
「ピグ内で2人でやる、ペアの数字合わせゲームっていうのかな」
「それをわたしとそこにいた子供といっしょに遊んだの」
「そうしたらね」
「わたしトロいものだから、とても迷惑かけちゃって」
「いっしょに遊んでいた子から「馬鹿 死ね」って言われて」
「その子消えちゃったの」

ここに神奈川県で4番目にリトライに強かった人がいるから、
またやればいいさと答えようとしたが、解除する数字が無い事に気づき
それはやめて、その子もいずれは情を知る事になるさ、と、
年輩の色香を仄めかした。

「どうしてインターネットだと人って怖くなっちゃうんだろうね」
「さっきも、ピアさんにギフトをせがんで怖いこと言ってた子いたよね」
「ピグって楽しいものだと思っていたけど」
「とても怖い」

不思議だよね、と、一言。
それに続けて、このヒゲ顔を第一印象で実際の顔と思っているほど、
ピグと現実を混同している節がある事と、ホストクラブごっこといった
変に現実を模倣したことを非現実的な空間で展開する事、
それらを歪んだ背伸びだとまとめた。

「どこで覚えてくるのかな」
「わたしなら、自分の子供にも教え子にもピグさせたくないな」

率直に、その根源は母親であると答えた。
どのような玩具を与えようと、いずれは飽きる。
どのような話を読み聞かせようが、いつまでも語り部役はできない。
インターネット、強いてはピグは、便利な保育所のようなものさ。
と持論を説く。

「なんだか、かわいそう」

ピグに潜む悪い人間の存在について、
つい、語ってしまう。

「え・・・小学生なのに?」
「まだ身体だってできてないのに何をするの」

現実を教えた。


そして、時間は大きくさかのぼる。





タケルのロリコン疑惑が浮き彫りとなったあの瞬間に話を戻そう。





「なるほど、姉上のリアル彼氏ならば諦めねばなりますまい」

「よしよし」
「あきらめるんだゾ弟」

大変面白いことになってきたので、次の行動を起こそうと私は部屋へと戻った。

部屋の上座に座すと、ピグトモ用のメッセージウインドウを開く。
ピグでは18歳以上に設定した者同士がピグトモになると、
当人同士でしか見えないひそひそ話が出来る。

「このロリコンの国のロリコン領を割渡されたロリコン公爵め」

「な、なんですかいきなり」

「聞いたぞ、あの小娘。タケルのリアカノだってなあ!!」
「やるでねえの、虫も殺せない聖人面で」
「やることはなかなかのモンスターハンターポータブルでねえの」
「ちなみに俺モンハンやったことないけどさ」
「ちょっとやったら負けだと思ってるけどさ」

「はは・・・ ばれちゃいましたか」
「リアカレと言っても実際に会った事はないですけどね」
「ちなみにぼくもモンハンやったことないですね」

「とりあえず、全部聞かせてもらったぜ。事情はどうあれ本気かね?」(ブラフ)

「そうですか・・・全部ですか」
「もしかしたらピアさんにも相談するかもしれません」
「事実はどうあれ、ぼくが止めなくてはならないと思います」

「危険だしな」(んん???)

「はい、遊びの感覚でやってるようなので・・・」
「相手は高校生や小学生を買うような奴ですから」

「事と次第によっては警察沙汰だな」(なん・・・だと?)

「はい」
「今日はもう寝ます。なにかあればまた報告します」


驚くべき展開がやってきた。
明らかな犯罪臭。
求むるべき劇的な場面が近いことを実感した。
それではと、来るべき時に備えて情報収集を実施することにした。

まずはあの小娘のプロフィールにあったブログを漁る。
見てみると記事の総数はことのほか少ない。
当時8記事、実は現存していて今は13記事。
内容は、バッタと喧嘩した、仲間を守った、ピグのスクリーンショット。
それと、"スイレン"という小説を読んだ という記事がある。
前者3つはタケルとのツーショット写真がなにげなく載せられている
という微笑ましい点以外は見るべきところも無く、強いて言えば
ピグ内での交流の広さを思わせる。
けれど印象深いのは小説を読んだ感想の記事だ。
異様に力が入ってる。まず他と比べて文が長い。
次にフォントや顔文字の装飾が少ない。
最後に、ハンドルネームと一致する非偶然性。
登場人物にかなり入れ込んでるような文面だったが、
名前までその話に合わせるのはどうもうすら寒いものを感じる。
言ってみれば中二病というやつだ。
丁寧にもその小説のあらすじまで書かれている。
そのあらすじからすれば、恐らく・・・ケータイ小説。
余命わずかの男女の恋路とドメスティックなバイオレンスが
書かれているらしい。まるでテンプレートのようだ。
だが、そういう王道こそが、容易に受け入れられるのだろう。

以前の誰彼かまうことなく見栄えの良い男ピグを抱え込む行動、
ピノという男ピグへの恋路に敗れ憤慨していた様、
小説への陶酔、
大きく歳の離れたタケルへの想い、
犯罪臭。
ここで一つの推論に行き着いた。

読者諸君はお気づきだろうか、同時期に起きたこれらのイベントに
潜む矛盾と滑稽さ。
アヤツジ先生のような解決編は無いけれど、考えてみて欲しい。


それから一週間と間をおかず、
突然水恋が自分のピグ部屋に来訪した。


「やあ姉上、よくいらっしゃいましたね」
「ちょうど我が故郷のトスカーナからレモンが届きましてね」
「ティータイムと洒落込もうと思っていた次第ですよ」

ハプスブルク家に婿入りした貴族の中の人は、
リプトン・レモンティーの粉袋からサジ2杯をカップに
落とし、今まさに湯を注ぐところであった。

「弟」
「いえ」
「ピアさん」
「あの」
「お別れを言いにきました」

「どういうことですか?」

「わけは」
「聞かないで」
「1つ」
「おねがいがあります」

「聞きましょう」

「タケルにあったら」
「つたえてください」
「ずっと愛してる」
「と」

「本当に伝えていいんですか?」

「タケルの幸せを」
「ずっと」
「ねがっているって・・・」
「つたえて・・・」

「タケルとももう会わないんですか?」

「・・・あったら」
「離れられなくなるから・・・」

「分りました 伝えましょう」

「ありがとうございます」
「Pとも」
「やめるか」
「やめないかわ」
「決めていいです」

「はい」

「それじゃあ」
「また」
「あう機会があったら・・・」


またしても唐突の展開。
おじさんの搭載エンジンはノーマルマブチモーターだけど、
君達の搭載エンジンはハイパーダッシュモーターだな。
と、大会で使用禁止令が出るほどの規格外の速度で
展開する若者の気の移り様はいかがなものか。
そりゃミニ四駆も廃れる。
ポケベルも廃れる。
コミックボンボンも廃刊する訳です。

身も蓋も無く言えば最注目のヲチ対象の消失は
如何ともし難く、であり。
3000ポイントの終着点に達するまでにはあまりに退屈過ぎる。

そんな悲観に打ちひしがれて15分。
再び水恋が部屋に訪問。

「あの・・・」
「やっぱり・・」
「つたえなくていいです」

「いいんですか」

「いいです」
「・・・」
「はなれたくない」
「でも」
「これだけつたえてください」
「愛してる」
「って」
「これだけでいいです」

「わかりました」

「さようならはいいません」
「また明日」

「はい、また明日」
「ちなみにどうして気が変わったんですか?」

「自分で書いた」
「ブログみて」
「タケルと離れる自信なんて」
「ちっともない」
「そんな勇気はわたしにはない」
「と思ったので」

「これからもタケルとずっといる?」

「友達として」
「います」

「そうなりますか」

「はい」
「じゃあね!!」


女心を秋の空と解きますが、
秋の空とて15分おきに雨と雪と豚に変わるわけではない。
もはや意味が分らない。
だが、わずかながら会話中にヒントを残していた。
あのブログ。
確かにもう1つ変わった内容があった。
それは小説の感想の4日前に投稿されていて、
"スイレン"とだけ書かれたタイトル。
内容は「今恋してます!」というなんとも青臭い内容。
しかしそれも長く続かないかもしれないことをほのめかしている。
だいたいこの時から一ヶ月前ぐらいの記事だったか、
この内容がタケルとのことならば、少なくとも一ヶ月間は
公称リアカノ・リアカレの関係ということになる。
自分が会ったのはだいたい一週間前。
あの時の様子を思い出して欲しい。

これは飛んだクワセモノを見つけたと確信し、
更に数日の時間が流れる。

なんとなくタケルと同じ場所へと移動すると、
既に水恋と数名のスイレンチルドレンとが
なにやら辛辣なムードで話をしていた。
その時のログをたまたま残しておいたので、
ここに公開しよう。

これがこの一件の結末だった。
この後すぐに、水恋は謎の3ヶ月間ピグ禁止令が下される。
その際に散り散りとなったスイレンチルドレン達を率いて
巨大なアクと戦う話は、また別のエピソードで語るとしましょう。


-この時期の所持アメ 1010 -




時間をまた戻そう。
嘘を引用してあの子をピグから解放した
あの瞬間に。



"さな"というピグが部屋に訪れると、
すぐに彼女はこう言った。

「ピアさんのお部屋ってイスでいっぱい」
「たくさんの子供達がいらっしゃるのでしょうね」

「ちょっと入ってきてすぐにどこかに行ってしまうさ、
ニワトリの脳を持った渡り鳥のようにね」

「わたしも子供達ともっと仲良くしたいな」

「さな本業だし、ピアさんなんかよりよっぽど扱い方心得てるじゃない、きっとできるさ」

「わたしにもできるかな?」

「ああ、イージーさ」

「でもね、今日とっても悲しい事があったの」
「ゲーム知ってる?」
「ピグ内で2人でやる、ペアの数字合わせゲームっていうのかな」
「それをわたしとそこにいた子供といっしょに遊んだの」
「そうしたらね」
「わたしトロいものだから、とても迷惑かけちゃって」
「いっしょに遊んでいた子から「馬鹿 死ね」って言われて」
「その子消えちゃったの」

「ガキンチョは言葉が汚いからなあ、うんこちんこ大好きだしな、
それがいずれ気恥ずかしくなって後悔するさ。大目に見てやろうぜ」

「どうしてインターネットだと人って怖くなっちゃうんだろうね」
「さっきも、ピアさんにギフトをせがんで怖いこと言ってた子いたよね」
「ピグって楽しいものだと思っていたけど」
「とても怖い」

「不思議だよね」
「このヒゲ面を本当のピアさんの顔だと思って近寄ってくるから」
「50~60歳と思ってるらしくて、小4だって教えてやると驚くんだ」
「それもさすがにないよね」
「ホストごっこをするガキンチョも滑稽だよね」
「あれ元締めみたいなのがいてさ、本物の下っ端ホストが
ホスト経営ごっこをはじめて、それでガキンチョを課金アイテムで釣って
アゴで使ってる訳だ、普段アゴで使われている分ね」
「滑稽そのもの。そんなものに背伸びをしてオトナぶりたいガキンチョ達」
「本当にゆがんだ背伸びさ」

「どこで覚えてくるのかな」
「わたしなら、自分の子供にも教え子にもピグさせたくないな」

「親子でピグやってるのをたくさん見てきた」
「学校から帰ってくると子供、夜遅くは母親に代わる」
「親公認の遊び場。与えたのは親自身だと思うね」
「ピグに放り込んでおけば手間が掛からないからね、そしてお友達もピグに誘う」

「なんだか、かわいそう」

「そう、かわいそうさ」
「ピグには悪い人間も潜んでいる」
「裏では売春斡旋の温床さ」
「小学生だろうと中学生だろうと、その背伸びしたいお年頃な心情を利用されて、
餌食にされてしまう」

「え・・・小学生なのに?」
「まだ身体だってできてないのに何をするの」

「生理が始まってないほうが好都合な人だっているさ」

「最低・・・」
「わたしピグやめようと思う」
「ピアさん教えてくれてありがとう」
「うちの園でもやらないようにって教えるね」

「ああ、そうしたほうがいい」

さなはログアウトした。


「そう、こんなものはやめちまうのが一番さ」


-この時期の所持アメ 2550 -
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by souka_t | 2012-02-27 18:56 | 長期レポ | Comments(4)
アメーバピグの役半年間13
■#13 水恋の秘密■

昨晩は賑やかなことになったものの、
一ヶ月と十数日間に及ぶピグ界の出来事の中では
ありふれたことの一つでしかないと思っていました。
再びぬるま湯という名の沼に潜み、
3000アメという天の時を待ち、
飛翔のための英気を養おうと惰性にログインしては、
部屋で座して待つ消極的な体勢を取ります。
惰性も重ねると取り組む姿勢は怠惰となり、
ピグ窓を開きつつ声優ラジオに聞き入ってしまうなんてことも
多く、気づくと訪問してきたピグトモの挨拶で
ログが埋まっていたなんてことにもなります。

そう、その日は花澤香菜ちゃんの"ひとりでできるかな"を
聞いていました。ゼーガペインファンお馴染みの
カミナギ・リョーコ役の声優さんで、最近は写真集を出したり
握手会をしたりと、輝かしい活動をされている方の放送です。
はじめはなんとも頼りない声に、この先生き残れるかが
気掛かりであったものの、気づけば大きな愛好家が多い
アニメーションではいくつもレギュラーを取るほどの
人気っぷりです。世の殿方はこういったものに弱いのでしょう。
私なども"ひとりでできるかな"を触りの5~6回はなんとなく
聞いていただけではありますが、次第に香菜ちゃんの
無茶振りに対する処理能力高さと奇抜さに面白味を見出し、
毎回チェックするほどです。
他にも"早見沙織のフリースタイル"や"金元寿子の侵略ラジオ"
もお気に入りではありますが、どちらも30分は短過ぎる
というのが遺憾とするところで、かと言って
"佐藤聡美の聡美はっけん伝"の一時間枠は長く感じ、
"豊崎愛生のおかえりラジオ"からの"能登麻美子の地球ノート"
は明らかに寝かせに掛かってる編成であることは否めないと
小賢しくも思う訳でありまして、結局のところ
超A&Gから"神谷浩史と小野大輔のディアガールストーリー"
を外したあたりから繋ぎで聞いていた
"加藤英美里と阿久津香奈のGT-R"の視聴を切るか切らざるかを
迷いあぐねている昨今で、とどのつまり、一番の押し放送となると
"金曜2H・鷲崎健"と"レディゴー金曜日・上坂すみれ"の2つを
上げねばなるまいと、ホホ敬って、どうみても
文化放送の回し者でございます。

さて、話を戻しますと。
あの時はまだ写真集も出てなければ、花澤じゅんちゃんのコーナーも
はじまってなかったと記憶しています。
ロウキューブが盛り上がって来た頃でしょうか。
振り付けの上手い小倉唯ちゃんを絶賛していたとかの話題が
放送で流れていた頃かと思われます。
ひとしきり花澤成分を補充し、ピグのウインドウをフォーカスすると、
そこには先日のヒートアップしていた女の子ピグがいました。

「よくきなすった、まあ座って」

なにはともあれ来客に挨拶を交わす。

「あのー」
「昨日のこと」
「本当っっっっっに」
「ごめんなさい!!」

唐突の謝罪。いらぬことすら混沌を纏わせて返すほどの
ピア節も凍りつく展開。唖然と驚愕。

「タケルから」
「聞きました」
「ピアさんとピノ」
「関係ないのに」
「あたし」
「あんなこと」
「言っちゃって・・・」

思考が巡る。
昨晩の一件は随分遅い時間のことで、
あれから翌日に備えて眠りに落ちたかと思われたタケルが、
もうワンアクションを起こして推定10歳は離れているであろう
この小娘と会ってフォローを入れた。
一見義理堅い男の行動ではあるが、この一連の動向は何か
引っかかるものがある。数多の出会い厨に場を掻き回された
経験のある私ならではの第六感。あの男もしや・・・。
さておき、この小娘も意外や意外。
殊勝なほど素直ではないか。
せっかくだからもう少し関連性の糸を絡めてみるか。

「あいや、お気になさらず」
「むしろ騙したのは私の方だ」
「どうだろうか、これもなにかの縁」
「ピグ歴の長い水恋どのを今後姉上と呼ばせていただけないだろうか」
「中国では他者を敬うのに血縁関係無しにおじいさまおばあさまと呼ぶのだが」
「さすがにおばあさまでは体裁が悪いでしょう」
「そこで姉上でいかがなものか」

ヤケに武侠のノリを出して混沌に沈めかける。
このノリに関しては後に外伝があるが、それはまた別の話。

「え・・・」
「あたしの弟になるの?」
「わかったー」
「じゃ弟よー!!」

「姉上ーーっ」

ここにオバカ姉弟が誕生し、
この日はこれで終わった。

そしてあくる日。
鉄は熱いうちに打て、
面白い遊びは面白いうちに遊び倒せ、
思い立ったが吉日。
ということで、この日は"ストーカーをしてみよう"という
突拍子も無い決断を下します。
リアルJKはこういったアバターコミニュティで
どんな時間の潰し方をしているのだろう?という疑問がありました。
物凄くくだらなそうではありますが、それはそれで一興。
どこまでくだらないか見守るのも悪くない。
その時おあつらえ向きに昨晩の水恋がピグ上にログインしていました。

まず服装とプロフィールを替える作業を済まし、
より一層その辺にいるオッサンを演出。
ナリが決まったところで"ピグトモと同じ場所にいく"機能を使い
水恋がいる場所へ。
狭い部屋にいたら一発でこちらが辿ってきた事を怪しまれて
アウトでしたが、幸運な事に"広い教室"に移動しました。
入り口から早々にはなれて教室の隅っこの物陰に
隠れるようにして待機します。すると、教室の真中あたりの
人口密度が濃いゾーンに水恋を見つけます。
どうやらこちらに気づいていません。

「うわーーいいおとこーーー」
「ピグトモになってーーー」

キャバ男風の男ピグに迫りまくる姉上の雄姿がそこにありました。
あまりの積極性にやや引くイケメンキャバ男でしたが、
悪い気はしないようで、さほど渋らずピグトモを承認した様子。
それに気をよくしてか、姉上は次の場所へ移動してしまいました。
余談ではありますが、キャバ男のプロフィールには中学2年の
表記がありました。今の中2の理想はこのようなものなのでしょうか?

さておき、追撃を試みるため再び相手と同じ場所へ移動。

今度は"ビーチサイド"に移動しました。
入り口から早々にはなれてビーチの隅っこの物陰に
隠れるようにして待機します。すると、ビーチの真中あたりの
人口密度が濃いゾーンに水恋を見つけます。
どうやらこちらに気づいていません。

「うわーーいいおとこーーー」
「ピグトモになってーーー」

チャラ男風の男ピグに迫りまくる姉上の雄姿がそこにありました。
あまりの積極性にやや引くイケメンチャラ男でしたが、
悪い気はしないようで、さほど渋らずピグトモを承認した様子。
それに気をよくしてか、姉上は次の場所へ移動してしまいました。
余談ではありますが、チャラ男のプロフィールには中学3年の
表記がありました。今の中3の理想はこのようなものなのでしょうか?

さておき、追撃を試みるため再び相手と同じ場所へ移動。

今度は"原宿"に移動しました。
入り口から早々にはなれて原宿の隅っこの物陰に
隠れるようにして待機します。すると、原宿の真中あたりの
人口密度が濃いゾーンに水恋を見つけます。
どうやらこちらに気づいていません。

「うわーーいいおとこーーー」
「ピグトモになってーーー」

ちょいワル風の男ピグに迫りまくる姉上の雄姿がそこにありました。
あまりの積極性にやや引くちょいワル男でしたが、
悪い気はしないようで、さほど渋らずピグトモを承認した様子。
それに気をよくしてか、姉上は次の場所へ移動してしまいました。
余談ではありますが、ちょいワル男のプロフィールには中学1年の
表記がありました。今の中1の理想はこのようなものなのでしょうか?

さておき、追撃を試みるため再び相手と同じ場所へ移動。

今度も似たような展開かと思いきや、ところがどっこい
反復展開は文章上では3回まで。本当はこれが5~6回つづきますが端折る。
余談ではありますが、このピグ手記の内容のいかほどが盛りか?という
質問を各所から受けます。この場を借りて書くならば、一切盛ってません。
むしろ削いでいます。4割削いで比較的読みやすくまとめているだけです。
万が一にも一冊にまとめる機会があれば削いだ分の2割は加えることに
なるでしょう。残り2割はただ忘れただけです。

移動した先は部屋でした。
そこには水恋の取り巻き通称"水恋チルドレン"が集結しています。

「あ、この前のやつ」

なにやら会話が盛り上がっているところに入ってしまったらしく、
水恋チルドレンの1人であるジャクソンが私の存在に気づきます。

「あああああああああああああああああ」
「ぴあーーー」
「弟よーーー!!」

「姉上ーー!!」

とりあえず熱烈に返してみる。

「みんなーー」
「きいてーー」
「ぴあは」
「私の弟になったーー」

「姉上、紹介かたじけない」
「聞いての通りだ諸君」
「姉上共々この私も守り立ててくれたまえ」
「はははははッ」

王家の外戚となった悪い宰相の如くの有頂天っぷりを
四海に示す。その時である。
ータケルがログインーの告知。
そろそろ飽きてきた(眠くなってきた)のでその場をまとめようと・・・

「姉上、この弟めの愛人がピグに来たようです」
「そろそろおいとまを・・・」

「えーーーーーーーー」
「誰」
「愛人って誰ーーー??」

「姉上もよく存じている方にございます」

「えーーーーーーー」
「誰ーーーーーー」

「℃-uteヲタにして、富山の雪かき名人」
「その豊富たる知識はスーファミからプレステ2まで」
「兄を敬う事、桃鉄でキングボンビーを擦り付けるが如し」
「その性格素朴にして、人畜無害の権化」
「座右の銘は"グンマイマイに取って代わる男"」
「その名をーー」
「みんな大好きタケル」

「ああああああああああああああああああああああああああ」
「だめええええええええええええええええええええええええええ」
「タケルだけはだめえええええええええええええええええ」

「"だけ"は?」

「タケルはあたしの」
「弟はあきらめなさい」

「いやしかし」
「私はタケルの子をこの腹に宿しています」

「うそつけえええええええええええええええええええええええ」
「男やろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


もしやと思った点が線へと繋がって行く。
真相に迫ってみようと、直接的な質問を飛ばす事にした。


「姉上、よもや・・・」
「姉上のピグカレではありますまい?」

「ちがうよ」

「ならば問題は無いでしょう」
「タケルとチュッチュするのはこの弟」

「だめえええええええええええええええええ」
「タケルはリアるでカレシ」

「ほう」


間違いない。あの男はロリコンだった。
数々のロリコンを見て来ましたが、
ガチで手を出すレベルは二人目。以前の一人はおかっぴきにしょっ引かれました。

衝撃的な事実ですが、これはまだほんの前奏曲。
二編で終わる予定のところ、
まとまらないので三話編成になり次回に続く。
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by souka_t | 2012-02-04 10:56 | 長期レポ | Comments(4)
アメーバピグの役半年間12
■#12 スイーツ・水恋■

ハロヲタタケルとの出会いは、実り無きピグ界での活動に
ささやかながら潤いを与えました。
彼と私は連日連夜に渡り℃-uteのマイマイについて語り合い、
時には知識を深め、時にはユーチューブにあったPVを褒め称えました。

ドルヲタというものには縁が無かった、いや、正直関わりたくはなかった。
あれらはカルトの薄気味悪い偶像崇拝となんら変わらず、価値観の違い過ぎる
生き物だと思っていました。だが、それは正しくもあり、
所詮は一面でしかなかったのです。彼らは語り手なのです。
己が信じるアイドルの語り口は"物語"そのもの。
その語気には苦難と悦びに満ち、なんと豊かな表現力を持つのでしょうか。
もの語らぬ隠者や目的無き放浪者と時を過ごすよりも、
俄然私の興味を惹くに至りました。

この日々は、私の中でドルヲタの評価を飛躍的に上げましたが、
年始に入って愕然と評価を下げる一件に見舞われます。
それはまた別のエピソードの後日談に回すとしましょう。

さて、毎夜毎夜萩原舞談義を繰り返し互いの理解が深まってきた
ある日の事です。相変わらず待ちガイル戦法を決め込み、
常に部屋で待機状態から訪問者を待ち構えるスタイルで
マッタリしていた私は、なんとなくそれも飽きてきたのか、
こちらから仕掛けてみようと"ピグトモがいる場所に行く"機能を
使ってみる事にしました。
てきとうにピグトモリストの上から順に試しますが、相手が
カジノでゲーム中であったり釣り場で釣りゲーム中であったり
よくわからないイベントで演説中であったり、どうにもタイミングが悪く、
面白い場面になかなか遭遇しません。
そういう日なのだろう、と諦めかけ、最後にタケルを巡回して終わろうと思い、
タケルのいる場所へ移動してみると・・・

なにやら知らないピグの家に移動しました。
そこにはいつもながら普通を地で行くタケルのピグ、
そして女の子のピグとそれを囲むように男のピグが3体。
なにやら深刻なムード

「うち」
「騙されたわ」
「信じてたのに」

一番深刻な雰囲気を発しているのが、3体の男性ピグを取り巻きのように
連れている"水恋"という女性ピグ。

「もう忘れろって」
「あんなやつ」
「より」
「俺がいるだろ」

私と同じ海賊帽子を被ったイケメンがいる。取り巻きの1人のようだが、
どうやら水恋にガチでお熱の様子の男性ピグ"王くん"。

「そうだよ」
「ピグトモ切ったし」
「もう会うことないよ」

積極的な王くんを更にサポートするように水恋をなだめているメガネイケメン。
なにやら2番手ポジションを匂わせる取り巻き2人目"だいすけ"。

「うん」
「そうだよ」

相槌を打つのか、それとも語彙が少なく反応できずテンポが悪いのか、
文字通りの三番手をキープしているのか"ジャクソン"。

「騙されたって、何かされたの?」
「何か取られた?」

やはり見積もったとおり二十台半ばあたりか、中では年長さが
滲み出ている我らがタケルの冷静な状況確認。

「ピノぜッッッッッッッッッッッッ対」
「ゆるさないーーーーーーーーーーー」
「あたしのこと」
「好きだとか」
「全部」
「嘘吐きだっっっっった!!!!!!!」
「あたし」
「捨てられたのーーーーーー!!!!!!」
「いきなりっっ」

文字の雰囲気では発狂している水恋。
これだけでなんとなく状況を掴んだ私は、
更なるカオスを与えてやろうと乗り出します。

「よう、タケル」
「なに、ピノと知り合いなのそこのお譲ちゃん」

「え・・・? ピアさんピノのこと知ってるんですか」

「ああ、知ってるよ。ピノは俺の舎弟だ」
「また何か悪さしたのか?」
「いやあ、すまないねえ。いつもキツク言ってはあるんだがね」
「代りに私が謝ろう。あれはあれで根はいい奴なんだ」
「許してやって欲しい」

「はあーーーーーーーーーーー????????」
「おまえピノの仲間なのーーーー」
まだまだ荒ぶる水恋

「いいや、ピノが俺の舎弟だ。対等ではないよ、むしろ私が上司だよ」

「ってかおまえ誰」

「俺はタケルの愛人だ。日常的にキスで挨拶を交し合う仲だ」

「ちょwwwwピアさんwwwww」

「はあーーーーーー?????」
「タケルはホモじゃないだろーーーーーーーー」

「俺はタケルの寝癖の悪さも知ってるがな」

「おいwwwwwwwwちょwwwwwwwやめて」

「それよかピノだろ? 何された? ネット上か?リアルか?」

「ピノの仲間に」
「話すことなんてないっ」
「しね」

「お譲ちゃん、言葉遣いがおだやかじゃないね」
「どうせピノに一方的に切られたんだろう?」
「俺からピノに叱り付けることだってできるんだぜ。いいのかい?」

「ばーか」
「しね」
「ピノの仲間とか」
「しね」

「おやおや、嫌われたものだね。まあいいさ」
「タケル、昨晩の続きをしよう。また愛し合おう・・・」

「ちょwwwwwwwwちがうからwwwww」

「もういいっ」
「みんな嫌いっっっっっっっっっーーーー」
「帰る!!!!!!!!!!!!!!」
部屋から消える水恋。

「まってー すいれーん」
なさけなく追う取り巻き3人衆。
部屋にはタケルと私だけとなった。


「ピアさん、本当にピノのこと知ってるんですか?」

「いや、ぜんぜん」

「なんであんなこと言ったんですか?」

「俺、ピグじゃ無名だしさ。なんか猛威を振るってる奴に乗っかっていけば」
「勝手に知名度上げてくれるじゃん。悪名も裏を返せば知名度だからね」
「嘘とはいえ、そのピノって奴の更に上位に俺が居るって設定が」
「あのお譲ちゃんと取り巻きに根付いたろう?」
「これは炎上マーケティングの法則を利用した、立派な売名方法さ」

「入ってきてすぐにそれを思いついたんですか・・・」

「名前が近いから割と信じ込ませられるかなって思ってさ」
「そしたら予想以上だった」
「はははは」

「凄い頭の回転ですね」

「ボードゲームをやってれば、それぐらいの機転が利くようになるさ」
「どうだい? タケルもごきぶりポーカーあたりからやってみないかい?」

「どういうゲームですか?」


この時発動したブックオブジエンドが、まさか予想外の方向に
波及していくとは、この時誰も予想しえなかったのです。
そして、取り巻き3人衆もこの後、アーサー王伝説の円卓の騎士のように
個別エピソードで活躍することとなります。更にこれがキッカケで
タケルはごきぶりポーカーをお買い上げ。
後編 -水恋の秘密-に続く。
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by souka_t | 2012-01-14 08:51 | 長期レポ | Comments(4)
アメーバピグの約半年間11
■#11 ハロヲタタケル■


どんなにアレなコミニュティでも、
ひと月も居座ればユニークな人物に出会うものです。
今回はそんな心温まるエピソードを語りましょう。

それは【蘇州の歌う海賊】時代末期のことです。
わたしは習慣のようにログイン後蘇州の船へ移動し、
行き交うピグ達を横目に歌い続けます。
そこへプロフィールに気になることが書かれたピグが
通り過ぎようとしました。

名前 いずみ
小6 好きなもの忍玉。

この年の春、私の参加した即売会イベントの
上の階で開催していた盛大な女子向けイベントが
ありました。そう、忍たま乱太郎です。
男性ヲタはそのシーズンごとに新作を追いかけ
嫁を変えていく傾向が強く、老舗を振り返り
暖め直すことはなかなかにしてありません。
フジョシによる忍たま再ブームに関しての流れは、
諸説を多々読んできましたが、以前より機会が
あれば生の声を聞いてみたいと思っていました。
これは絶好の好機と言わんばかりに、
私はいずみちゃんに声をかけます。

「いずみちゃーん ひさしぶりー 船おいでよー」

「え?」

「いずみちゃーん にんたま大好きいずみちゃーん」

「ちょww」

意表をついた呼び声に反応し、いずみちゃんは
船上へと上がってきます。

「いずみちゃんさ、忍術学園で一番強い奴って誰だと思う?」

「いきなりですね」
「学園長か」
「山本先生ではないでしょうか」

「もう1人最強候補がいるね」

「土井先生や山田先生ですか?」

「彼らは少なくとも学園長やシナ先生よりは格下だね」

「それでは戸部新左衛門かな」

「いいや、もっと明確に強い描写がある奴さ」

「うーん」
「わかりません」
「協栄丸や利吉は」
「学園内ではないですよね」

「そうだね。彼らは学園外さ」

「わかりません」
「誰ですか?」

「食堂のおばちゃんさ」

「ええええwww確かに」
「学園で一番強いかもwww」

「おばちゃんなにげに凄い武器が扱えるんだけど知ってるかい?」

「おたまとかおなべとか」
「それともカマとかでしょうか?」

「ははは、それはあんまり凄くないな」

「ですよね」
「なんですか?」

「火縄銃さ」

「えw」

「忍たまアニメでおばちゃんが火縄銃を使う描写がある回がある」
「その食堂のおばちゃん達が集団で扱っていたところからすると」
「あれは大変な練度だと思うね。あの人たちは訓練された兵士の如しさ」
「その回のオマケコーナーで、作者自身がコレクションの火縄銃を」
「ぶっぱなして自慢する場面もあるんだ。良い回だったよアレは」
「火縄銃というのは本当に操作が複雑で扱うには熟練を要するのが」
「よく分かる映像だったよ。さすがNHKだね。教育放送の名に相応しい」

「そうなんですかwwww」

「いやはやピグで忍玉を語ったのは初めてだ」

「わたしもですwww」
「ピグともいいですか?」

「もちろんだとも!!」

「ありがとうございます」
「では、ごはんなので落ちますね^^」

小学6年生相手に忍玉ガチ語りする自分がそこにいた。
よくよく考えてみれば忍玉にハマった経緯や
どんなキャラクターが好きなのかを聞くべきでした。
一方的に自らの忍玉愛を見せ付けてどうする、
そうすぐさま後悔しました。
次はもっと引き出すように話をもっていくべきと
方向性の修正を思案していると、またもや目を引くプロフが。

名前 山田
中3 好きなものテニプリ

テニプリ。コミケの議席においては一時期最大勢力を
誇っていたジャンル。未だ残り火程度に議席はありますが、
勢力は忍玉を下回ります。人気を暖めていた層は今となっては
良いお年頃だと思うのですが、中3という若さはどうしたこと
でしょう。もしもこれが22~25とか30代とかであれば、
無言で敬礼をし見送ったことでしょう。
私はすぐさまこの面白そうな女子を呼び止めました。

「お~い山田くぅ~ん」

「ん?」

「山田くぅ~ん 手塚先輩に座布団1枚あげて」

「えwwwwなにwwww」
「手塚先輩って」
「テニプリ知ってるんですか?」

「知ってるなんてもんじゃないさ」
「青学のバンダナ巻いてる雑魚を越前がぶっとばした最序盤で」
「この作品は爆発的に流行るって予言してたほど」
「ピアさんはテニプリフリークなんだぜ?」(実話)

「バンダナ巻いてる雑魚wwww荒井将史かwwww」

「山田君はどれぐらいテニプリ好きなのかな」

「テニミュも見るぐらいwwww」

「テニミュってミュージカルか?」

「そそwww」

「"下克上だ"の人の歌が面白いよねテニミュ」

「うんうんwwww」
「日吉一番好きwwww」

「まぢか、日吉一番好きか」
「日吉のラケットの構え方かっこいいよな、雨の日傘もってたら」
「つい真似したくなるフォームだよねっ」

「わかるwwww真似したくなる」
「ていうかwwwするwww」

「ちなみにピアさんが一番好きなキャラは」
「手塚を泥棒呼ばわりした褐色のツインテールのロリっ娘だ」
「いきなり泥棒呼ばわりという出会いと男の子のような」
「つるっぺったんっ!!」
「あれは誘拐したくなるぐらいかわいい」
(参照動画:http://www.nicovideo.jp/watch/sm403282)

「犯罪wwww」
「ミユキね、かわいいよね」
「あたしは杏が好きかな」

「きっぺいどんの妹か」

「そそwwww」

「確かに、杏もかわいい」
「不動峰が一番好きなだけにきっぺいどんの妹はポイントが高い」

「不動峰好きかあ」

「山田は日吉なだけに氷帝だろう?」

「もちろんwww」
「あ、そろそろお風呂」
「ピグともいい?」

「もちろんさ」

反省を生かした見事な引き出しっぷりはどうでしょう。
それでも半分はテニプリの女子キャラで一番かわいいのは誰?談義。
しかし、このやりとりには裏で葛藤があるのでした。
テニプリを知ったのは本当にジャンプ連載の初期ではありましたが、
見続けたのは"ヒロインの桜乃の中の人が元リアルクラスメート"
だったからです。割とテニプリファンには自慢なのですが、
これを出してしまうと小4設定が軽く崩壊してしまうので、
かなり気をつけました。なにはともあれヲタ系のピグトモが
増えた事に軽く悦に浸っていると、一人の男が近づいてきます。




「こんにちわ」
「あの、ずっと見てました」

「おすおす、タケル、おっす」
「見てた・・・だと?」

「はい」
「おもしろい人だなーって」

「そりゃそうさ、ピアさんピグ界で一番面白い人だもの」

「ははは」
「そうかもしれませんね」

「タケルはゲームとかするのか?」

「今はあまりしません」

「昔は?」

「マリオカートとか」

「スーファミ?」

「はい、スーパーファミコンのです」
「兄とよくやりました」

「最近のはやらないのか?」

「最近はイベントで忙しいので」

「イベント?即売会か?」

「ハロプロのです」

「コンサートか。とすると、タケルはドルヲタなのか」

「そうなります」
「ハロヲタです」

「ハロプロといったらきらりんレボリューションの久住しか知らんぞ」
「あと、あれだ、きらぴかのもう一人のひかるちゃん役の」
「あれなんて読むんだ キュート?ドキュート? ドゥート?」

「お目が高い!」
「あれは℃-uteと書いてキュートと読みます」
「そして、その子は萩原舞ちゃんです」

「そうそうそれだ」
「ピアさんはアニヲタでやや声ヲタでもあるんだが」
「お世辞にもアニヲタ界隈できらレボは注目作ではなかった」
「だがね、ピアさんは3年間きらレボを見続けた」(実話)
「はじめは久住も舞ちゃんもヤバかった。とてもアニメ声優と」
「同じ土壌に立ってよいものではなかった」
「しかしだ、3年という月日はただいたずらに流れはしなかったよ」
「3シーズン目には久住は恐るべき演技の向上を見せた」
「想像を絶する努力をしたのだろう。当時3シーズン目ライブ放送時」
「同時にキッズステーションでも第1シーズンが放送していたから」
「容易に比較できた。もはや久住の演技力は別物。声優のそれだった」
「舞ちゃんも2シーズン目あたりから途中参戦だったが」
「きらぴかエピソードが終わる頃には飛躍的成長を遂げた」
「ドル関係は素人だが、この一件でハロプロの質の高さを感じたよ」

「そうですか」
「ぼくは富山に住んでるので、きらレボは見れませんでした」
「でも℃-uteファンなので、マイマイを注目してくれたのは」
「嬉しく思います」

「ピアさん達アニヲタもランカちゃんでブヒブヒ言ってるぐらいだ」
「親戚のようなものだよ。ピアさんぐらい古参だとリンミンメイ時代だがね」
「今声ヲタ界隈で奉られてる花澤香菜ちゃんも、ゼーガペイン時代は」
「久住や舞ちゃんの初期とそう変わらん演技だった」
「感慨深いものだ・・・」

「ピアさんの年齢が非常に気になります」

「小4さ」

「え?」

このように素朴で人畜無害を素で行くようなハロヲタのタケルが、
この後すぐに起こるピグ最大の事件に私をいざなう
重要人物になるとは、この時全く予想だにしませんでした。


この時期の所持アメ 800 (過去編なのでこの回では減ります)
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by souka_t | 2012-01-05 20:45 | 長期レポ | Comments(0)
アメーバピグの約半年間10
■#10 ギフト乞食ラム■

夕凪のような時の流れを享受していました。
手が空くと"なんとなくログインしてしまう"
この惰性こそが、アメーバピグの、強いては
ネットコミニュティへのコミットであり、
恐るべき魔性です。
アメ3000という目標が唯一私を"こちら側"に留める
鎖でした。日に何人ものピグが私の部屋を訪問し、
世間話から趣味の話と狭く薄い話題で談笑し合う、
そんなゆるやかな日々が続きます。

しかし、永遠なる平穏などこの世に存在しないのです。
そう、ピグの世界においてもー。
あの小娘がいきなり本性を現した日の話をしましょう。

【蘇州の歌う海賊】時代、興味深そうに海賊船へ近づき、
奇抜な挨拶を交わしほどよく打ち解けた
少し高飛車な雰囲気を放つ少女がいました。
その名をラム。
小学5年生にして毎日のようにアメーバピグに入り浸る
廃人予備軍。蘇州の歌う海賊団が活動縮小した頃も、
いつも決まった時間帯に私の部屋に現れては
一言二言短い会話を交わして違う場所へと去っていく、
典型的な落ち着きの無い子でした。
大抵こういった子の名前は覚えず、私からすれば
モブ化してしまうのですが、この少女の行動は
面白いほどに習慣的であったためその名前が
事件前より記憶されます。
そして、あの日・・・
ラムがいつも通りの時間帯に私の部屋へとやってきます。
この時は偶然私だけ部屋にいました。

「こんにちわ」

「やあ、よくきたね まあ座りなよ」

「ピアさん」
「わたしに」
「ギフトをください」

「え?」

「もう一度言います」
「ピアさん」
「わたしに」
「ギフトをください」

「ギフトですか」

「そうですねぇ」
「服がいいです」
「服ならなんでも」
「150アメG」
「ぐらいのが」
「いいです」

「え?」

「早くください」
「わたし」
「いそいでますので」

「ええと」

「なんでもいいです」
「服なら」

「その、質問いいですかね」

「はい」
「なんでしょう」

「ギフトってなんですかね?」

「は?」
「わたしに」
「くれればいいのです」

「いや、その、ギフト自体よくわからんのですがね」

「知らないふりは」
「やめてください」
「あなたは」
「ピグ長くやってるはずです」
「しらないはず」
「ないことは」
「わかってますから」

「それってアメとか必要なんですかね?」

「150アメGので」
「いいですよ」
「今日は」
「それぐらいので」
「がまんします」

「は、はあ。そうですか。よくわかりませんが」


この時、私はまだ【ギフト】というものを本当に
知りませんでした。言うなればプレゼントシステムの
ようなもので、ピグから他ピグへ物を買ってあげる
システムなのだそうです。
この【ギフト】の機能は、私のピグ生涯において
たった1度だけ使用することになりますが、
それはまた違うエピソードとなります。

「ピグ歴長いとよく思われるんですが、私はこう見えて
 まだ2ヶ月なのですよ」
「なので、そのギフトとやらも本当になんのことやら」
「分りかねる次第でしてねぇ」

「もう」
「話になりませんね」
「へたなうそは」
「やめてください」
「わたしに」
「ギフトをくれれば」
「いいんです」

「でも、それって有料なのでしょう?」
「こう見えて、私はビンボーでしてねえ」
「アメはまだしもアメGなんてほとんどもってないですよ?」

「話が通じませんね」
「あなたは」
「日本語が」
「できないのですか?」

「なにぶん、私はフィリピン人でしてね」
「先日帰国したばかりで、日本語がよくわからんのですよ」
「いろいろと教えていただけますかねぇ」

「もう」
「いいかげんにして」
「早くギフト」
「よこしなさいよ」

「どうすればいいのやら分りかねます」
「すいませんねぇ」

「なにその態度」
「なめてるの」

「いえいえ、めっそうもない」

始めは本当によく分かりませんでしたが、
段々と焦れてくるこの少女が何か可笑しく、
どこまで根競べになるか試してみたくなる衝動に駆られます。
そして、ラムは1時間近く食い下がります。


「というか、何で私なんですかね?
 このヒゲ海賊から物もらいたいんですか?」

「あなたは」
「お金持ってそう」
「だからです」


その論理がよくわかりません。
そんな押し問答なのかもよくわからないやり取りを
していると、初期の船員でありピグ内での盟友
エースがやってきます。

「おっす」

「おすおす、よくきた、まあ座れ」

「おう」

「あのー」
「ギフトまだですか」
「くれるまで」
「ここ」
「動きませんから」

「なあ、エース。ギフトって知ってっか?」

「知ってる」

「おまえはギフト欲しいか?」

「私ですか」
「服がほしいです」

「いや、君ではなくてだね」

「いらない」

「そうか、エースは無欲だな。やはりおまえは英雄だな」

「そうかな」

「損得を無視して人々のためにすることは英雄の行いだよ」
「エースは損得を考えず、ピアさんのためにこの部屋に来た」
「それはすでに英雄の行いだよ。エースは英雄さ」

「俺、英雄か」

「ああ、そうだとも。エースは英雄だ」

小学5年生の物乞い少女を置き去りにして、小学4年生のエース氏と
英雄を論じ合う設定上小学4年生の私。
このまま四海の名だたる勇者を上げて行き、果てには
英雄と呼べるのは「余と君だ」と三国志演義の一場面を展開しそうな
勢いでしたが、曹操と劉備の間に割ってはいる雷鳴が一筋。

「あのー」
「エースさん」
「この人」
「ギフト」
「くれないんですー」
「最低じゃ」
「ないですかー?」

「????」

英雄エースも目が丸くなるほどの雷鳴が、
そこに落ちた。
なんとかエースを乞食連盟に加入させようと
説得を続けるラム女史でありましたが、
そこへ更なる来訪者が。
謎の組織【相棒】の副長"もえ"であった。

「よっ」
「ピア」
「今日も」
「ここにいるんだ」

「おすおす、よくきたもえ。まあ座れ」

「うん」

「あのー」
「もえさん」
「この人」
「ギフトくれないんですー」
「なんとかしません?」

「え」
「どゆこと」

「もえさ、ピグ長いじゃないピアさんより」

「うん」

「ピグってギフトあげなくちゃいけない決まりとかってあるの?」

「え」
「うーん」
「ないと思う」
「けど」
「なんで?」

「と言ってますが?ラムさん」

「もうっ」
「いいですっ」
「ギフト」
「くれる気ないのは」
「わかりました」
「もう他行きます」

「飲食店の店の裏のゴミ袋置き場とかオススメですよ」

「は?」
「もういいっ」

恐るべき少女は去っていきました。
この後10日間ぐらい私の部屋に巡回しては
"ギフトくれないおじさん"のレッテルを貼ろうとして
周りから逆に「それは違うよ」と諭され続けます。
しかし彼女は自分の思想を一切変えようとはしませんでした。
その証拠がこれです。

既に私の存在はピグ界にはありませんが、
このような形で名残を残した事に、
今となっては感慨深いものを感じます。
彼女は恐るべき粘着力でした。
アバターのお洋服1つに10時間近く見ず知らずの
男を粘着する女という絵面はなかなか無いものです。
我ながら貴重な体験かと思います。


この時期の所持アメ 1050
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by souka_t | 2011-12-29 19:14 | 長期レポ | Comments(2)