仙人の壷

中国の志怪・伝奇をまとめた漫画+蛇足解説本。
志怪・伝奇なんて無数にあるもので、
特に超短編で狐に化かされたような不思議話をまとめた一冊である。

読後、思ったのは、物語やお話を我々は小難しく凝ったモノに考え
過ぎてはいまいかということかな。
「あは、それって不思議だね」でも充分な場合もあるんだなということ。
その不思議にはどういう意味や思想や教訓があるのか、
そう我々は話の裏側にあるものに疑って掛かってしまうきらいがある。
本書の志怪・伝奇の最初の3編ぐらいはいろいろと自分の中で解釈をつけて
いわば強引に納得させてたが、それ以降はもう「不思議だね」としか
言いようが無く、その意味を考えるにはあまりに要素が少なく、疑って掛かるのも
ばかばかしくなる。 全般的に「なんだこりゃ」である。
かといって、つまらなくもない。
むしろ、次はどんな不思議が来るのか楽しみになるほどで、
ファーストフード感覚な面白味に満ちている。
中国の志怪・伝奇をまとめられた文献が山ほどあるのも納得する。

折角なので、本書にまとめられた志怪・伝奇がどれぐらい意味わかんない不思議か
例を出して比較しよう。

まず意味が分かる方、以下は三国志演義からの抜粋。

ある男が、易者に余命わずかと診断される。
寿命を延ばすには山にいる仙人を世話しろと言われ、山へと入る。
そこには赤い服と黒い服を着た仙人が囲碁に興じている。
男は囲碁の邪魔にならないように仙人の食事を世話し、
最後に懇願し、寿命を大幅に延ばしてもらいましたとさ。


これは有名な管輅の話だが、丁重に世話した恩恵として
寿命を延ばしてもらうという至極自然な流れの小話。
では、本書にある志怪・伝奇の一編を取り上げよう。

あるきこりの男が山に入ると、二人の子供が囲碁を打っている。
きこりの男がそれをじっと見守ると、子供の1人からナツメヤシを1つ貰い食べる。
更にじっと見守ると、子供に「だいぶ時間が経ったからそろそろ帰れ」と言われ、
家に帰ると、そこは100年後に時間が進んでいて誰も知る者がいなかった。


どうよ、この理不尽さ。すごくね?
こんな後者の話がいっぱい詰まった一冊です。





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by souka_t | 2015-12-04 20:08 | 文学 | Comments(3)
Commented by 500 at 2015-12-05 02:37 x
面白そうな本
Commented by souka_t at 2015-12-05 10:33
へんな話満載やぞ
Commented by 500 at 2015-12-05 12:23 x
書名からすでに愉快
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