2013.moon_up_34
月曜です。

よく制作方法をまとめてノウハウを広くひろめるという
崇高なことやってらっしゃる方って大勢いるじゃないですか。
個人的には大なり小なりのメシのタネのタネ明かしってのは
あんまりよろしく無いと思う派なんですけど、
今回の月曜更新では、ショーナンロケッティアズの
製作行程であるショーナンドクトリンを少し明かします。
独特過ぎて、おそらくこんなこと自分しかやらんと思う。
真似することは絶対お勧めできない。


製作モデルは先週1週間で第一試作までの全てを仕上げた
新作・戦列ペンギン。


■ショーナンドクトリン・その1 継戦第一主義
続かないことをやってはいけない。
がんばり過ぎて もうやりたくねー となるのはよろしくない。
人はがんばれて3日、好き勝手にやれて7日という独自の
どんぶり勘定と共に、作戦期間をまず決める。 よって一週間を目安とする。

■ショーナンドクトリン・その2 終わりが見えないことをやってはいけない
スケジューリングは絶対である。見切り発射こそが頓挫を
呼ぶ害悪であり、時間をいたづらに浪費たらしめる。
よって初期の段階でおおざっぱでも終わりまでのスケジュールを打つ。

今回の予定表
月 システム構築&テストモデル&仕様書き出し
火 素材作成
水 素材作成&システム再検証
木 素材作成&ゲットエミュ審査
金 配置
土 配置
日 印刷&製造

ここで制作のスタート。
初日が一番アタマを使うので最初からクライマックス。


・月曜

システムをどう構築していくかは、十人十色でそれぞれに
一家言があると思う。
自分もテーマからひねったり、既存のシステムを派生させたり組み合わせたり
としてきたが、結果として落ち着いたのが"ポージング法"
まず、プレーヤーがゲーム中にどんな動作をするかを考える。
たとえば両手に1枚づつカードを持って両腕をひろげたりせばめたりして
カードを出すってのはどうよ ってところから「慈悲無き大地の大君主」、
とりあえず叫ばせるかってところから「羊飼いと狼」、
手札たったの3枚持つ姿とか超クールじゃね?ってところから「ウサギのカレー」が
それぞれ生まれている。
今回はなんかぐるぐる回してえなってところから、戦列ペンギンのキモである
ローリング戦況システムが生まれた。


仕様をノートにまとめる
この時点で各部に名称が必要になるので
テーマを考え出す。 自分ぐらいキャラクター押ししてる人からすれば
これは意外と楽な部分で、ウサギ・ペンギン・他の動物あるいはドット兵
の4種しか選択がない。 いや、サークル色を出すためにあえて狭めてる。
なんか似たようなのいっぱいあると特徴っぽくみえるしょ。

ここまでを

■ショーナンドクトリン・その3 思いつきに勝るものなし
いくら考えても一瞬のひらめきに勝るものは無い。
なぜならば、考えることもなんらかの土台を要するからである。
土台を広げることこそが考える部分であり、土台をいつまでも
考えるのはいたづらに時間を浪費するだけである。
すなわち、早いところアタリを付けてそれを全力で補強しろということ。



仕様がまとまったらテストモデルを作成。
工作のゴミである紙屑を加工して、それこそ簡易に作成される。
これでソロ回しして、正常に回れば良し。
あくまで対人テストではないので、ここでは面白いかどうかではなく、
ちゃんと回る&めんどくさくない が優先される。

ここで、面白いまで練り上げるのが普通の制作過程と思われるが、
ショーナンの本質部分はグラフィックデザイナーなので
そこは対人テストまで後回しにされる。

■ショーナンドクトリン・その4 ポートフォリオの増大第二主義
絵1つでも作成すればポートフォリオ(作品集)が膨らむので、
なにはともあれ絵素材の作成に繋げてしまえば、
グラフィックデザイナーとしてはなにかしらの蓄積となる。
制作工程において既に成果が生まれるのである。


次の日に必要な素材を一気に書き出し、月曜フェイズ終了。


・火曜

ひたすらドットを打つ。
ドットって神経がイカれそうなほど細かい作業で、
普通ならやってられないことだと、多くの人は考えていると思われる。
特異な技能扱いが続くので皆その認識でいてほしい。

実を話そう。
結論として、一枚絵とドットではドットの方が楽。
これはもう相性や特性としか言いようが無い。
そう思う、そう体感的に感じるのだから仕方ない。
逆に、なんでそんなにがんばって一枚絵描くの?って
不思議そうな目であらゆる作品を見てるのがこっち側。




・水曜

ひたすら打つ。一日2時間費やしたとして、色違いパーツ違いなどの
バリエーションを含め 20~30個の素材は余裕で打つ。
例えば、ウサギの儀式の絵素材部分などは一日で完成しているため、
むしろ配置のほうが時間がかかったぐらい。


■ショーナンドクトリン・その5 全体的にがんばらない
クオリティというものは不思議なものである。
全て精巧であればクオリティは高く、精巧なものの中にあって
数箇所粗末であればクオリティは低く感じるものである。
では、粗末なものだけで構築されたものに意味は無いのか?
否、そこには統一感というクオリティが生まれる。
それは時として精巧で固められたものに勝る。


水曜の夜、寝る前ぐらいにテストモデルをもう1回しする。
ああ、わるくねぇな。 と思えば良し。
いやーまずいなこの部分 とかあれば仕様ノート修正。
今回はわるくねぇな側。



・木曜日

ひたすら打つ合間に、ショーナンロケッティアズの
決定機構とされる「ゲットマン・ボードゲーム・エミュレーター」の
起動のために、簡易マニュアルを作成する。

ゲットマンエミュレーターとは。
簡易マニュアルを送信すると、そのゲームの方向性を割り出し
仮想的なプレイ感想が返信されてくるショーナン三大機構の1つである。
中の人が風俗にハマってる時期は機能が停止するという欠点を
持ちながらも、その高いマニュアル解読性能と指摘は対人テストに
限りなく近い性能を発揮する。

今回のゲットエミュの評価は
「逆転しづらいが守りのゲームとしては完成されてる」

ちなみに、乾隆後宮のテスト版ではゲットエミュが火を噴き、
数多くの最善手を発見し幾度も修正が施された。
また、今のところ最も好評価は「慈悲無き大地の大君主」


・金曜

絵素材が揃ったので、いよいよ印刷用に配置。
ここではただ配置するのではなく、
様々な作業を統合して同時に行われる。
カードデザインのうちアイコンやレイアウト、
図形データで構成されるフレーム。
裏側のデザインも同じく。
これらを既にA3用紙に印刷すること前提に
並べつつ作成していくのだ。



仕様書の時点でおおまかなイメージは
フリーハンドで示してあるものの、色合いや模様などは
この時点でアドリブで決めていくことになる。
その際はグーグル画像検索が活躍し、
今回は「南北戦争」 「civil war」 「戦列歩兵」
などのキーワード検索でカラーイメージや小物のイメージを掴んだ。

ちなみに一番時間かかったのは
裏側に書かれたブラウン氏の名言。
青軍のカード裏にはリンカーンの最も有名な言葉が書かれている
ので、それに釣り合う名言を探す作業が一番難航した。
これは突発的にヒストリカルゲームを制作するような
事態であり、想定外に楽しい。


■ショーナンドクトリン・その6 調べ物こそ新たなテーマとの出会い
調べ物をしているとその調べているものに関連する
違う事柄に興味を持つことが多々ある。
例えば、ハインラインの小説を1つ読み終えて
その後に彼が三大SF作家と知ったとしたら、残り二人の
クラークとアシモフが気になる。既にそれは出会いである。


・土曜
土曜の手が空いた時間をほぼ使い切って
印刷用ファイルを作成。


・日曜
スーパーヒーロータイム1時間前という早起き。
せっかくなので早朝からコンビニ印刷。
この時点でUSBメモリに作成データを保存し、
PC内のデータと持ち運び用メモリで万全なバックアップ体制を取る。
また、半年~一年に一度作成データバックアップデイを設けて
DVD保存をしている。 いつパソコンがぶっ壊れてもなんとかなる
状態を維持しているのだ。

■ショーナンドクトリン・その7 PCは風水
パソコンはいつぶっ壊れるか分からない。
人が手を加える機械に壊れぬものはない。
いつ壊れるかわからないものに依存してはならない。
その際には少なくとも二重の代替手段確保しておくこと。
三重であればなおよし。

ネットに繋がらないと困るという状態がないように
全て作業はオフラインで完結させるのがショーナンスタイル。
ネット端末を持ち運ばず、常に暇つぶし道具も本。




一見ただの印刷物に見えるが、
極限まで加工しやすい配置が施されている。
そのため1部のカッティングにかかる時間は3分程度。
むしろラミネートの方が時間がかかるが、
大きなラミネーターを導入したため同時に
ラミネートできる枚数は倍となり、加熱後は20枚で10分程度。

だいたい1部 20分もあれば完成する。


完成。
スーパーヒーロータイムを堪能しながら
戦列ペンギン 試作第一が完成。

ほぼ実物の状態でプレイしてこそ
実際に必要な修正箇所が見えてくるものである。
なので人前に出す時はこれぐらいの状態で持っていく。
既に修正箇所が見えているので
皆さんの前に出される時には第二版の量産バージョンになっていることでしょう。


これがショーナン制作過程である。
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by souka_t | 2013-08-26 08:11 | 日々よしなし事系 | Comments(0)
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