【文学】ファウンデーションと地球 下巻


上巻の盛り上がらなさでは落胆させられたが、
下巻も危うい低空飛行で進行し、あわやここにきて駄作化かと
思われたところ、ようやくラストで体裁を保った感じだった。
シリーズ的にはこの後は時代が戻ってしまうので、
本作が最も未来の話となるらしく、
そのラストで示唆した一抹の不安がどういったものになるのか、
アシモフ氏の手で書かれることがなくなってしまったのが非常に残念だ。

本作の本編はかなり退屈な右往左往を見せられるのだが、
どうもこのあたりはアシモフ氏の別作・ロボットシリーズとの融合がメインらしく、
深く楽しむにはそちらも読んでおく必要があったようだ。
全容把握はかなり面倒そうなので、いつもならここで区切りをつけて
アシモフ作品からは離れているところだけど、
ラストでようやくゴールに到着してからの展開は印象深いものであったため、
この後にロボットシリーズを読むことを決意した。


結局、最高に楽しかったのは初期三部作で、
第二ファウンデーションとの謀戦が最大の盛り上がりどころ
だったことは否めない。
続編の「ファウンデーションの彼方へ」では、
初期作の骨太設定を支えたセルダンプランと、
その守護者であり、ある意味での敵対者だった第二ファウンデーションの
陳腐化が一気に進み、唐突に現れたガラクシアの圧倒的で神秘な存在に
よって、一様の楽しみを確保されたが、本作「ファウンデーションと地球」は
その流れにおいてはほぼ蛇足でしかなかった感もある。
が、しかし
「初期三部作」と「彼方へ」の間に30年の開きがあるというのも、
ここにきて納得が行く気がするもので、
本作主人公のトレヴィスが迫まれる選択が示すとおり、
アシモフ氏の中の良しとする人類の形が揺らいだことを
表したのがガラクシアという存在であり、本作ラストで強烈に示唆した
ロボット三原則を脱したロボットという存在だったのだろう。
この先に何が起きたのかは、もはや氏によって書かれることはないし、
余程のことがなければその創造の域に達する作家によって書かれることも
ないだろう。それほどに含みのあるラストだったと言える。
傑作だと思う。


ファウンデーションシリーズを現代のアニメ作品に照らし合わせると
非常に面白いものが見えてくる。
鉄で覆われたトランターは銀河鉄道999の機械人間の惑星のようであり、
第二ファウンデーションの精神感応の描写は
ガンダムのニュータイプのようであり、
ガラクシアの一体感の表現は
どことなくエヴァンゲリオンの人類補完計画のようで、
ソラリアの遺伝子改造は過度ではあるが、
浅いところで星界の紋章のアーヴを髣髴とさせられる。
(個人的に、強烈な力を持つ異形異界の者という意味で、
ミュールにはドラゴンボールの初期ピッコロのようなイメージもある。)

それじゃ、ラストのロボット三原則を脱したロボットの頭脳を
持った超常的な遺伝子改造人間に当てはまるものはあるだろうか。

パッとは思いつかないな。
本作でその雄姿までは書かれなかったが、
どういった存在を想定していたのかは興味が尽きない。
ロボットシリーズも読むっきゃねーな。
というか強烈な伏線残して逝かないでくださいよ><
トレヴィスが一貫してアレに嫌悪感持ってたのって
絶対伏線でしょー
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by souka_t | 2013-01-15 18:51 | 文学 | Comments(0)
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