【文学】トリスタンとイズー物語


ここ最近読み進めていた西欧古典、
トリスタンとイズー物語を読了。


元々アーサー王と円卓の騎士が大好きなので、
円卓の騎士トリスタンの元ネタであるコレを読んでおきたかった。
同じケルト発の物語とはいえ、語り継がれる途上で
融合を果たすという現象は面白い。
シェアードワールドの走り的な感じなのだろうか。

本編では3人の登場人物の関係が変化する事によって
二転三転するのだが、これがなんとも愛憎に満ちてる。
その3人、トリスタン・イズー・マルク王とそれぞれに
互いを認めつつも、時には悪人の姦計に嵌り猜疑し合い、
しかたなく離れてはまた再会を渇望するという、
行ったり着たりなお話。
全ては惚れ薬を飲んでしまったがためにおきる悲劇
として書かれてはいるが、それ以上に禁忌を超えた男女の関係の
主張を感じさせる。それはどことなく金庸作品の中にあるものにも
似ている。王道作品とはこういった芯の強いところに特徴があるのだろう。

それにしても終盤のエピソード「狂えるトリスタン」の項は凄かった。
狂人を演じるトリスタンがこれまで全ての思い出をイズーにぶつけ、
読む側に物語全編を回想させる場面は最高だ。最高に息が詰まる。
惚れ薬のせいでトリスタンは狂人になってまでもイズーに近づこうとする
ことにはなってはいるが、もう薬の効果なんて森の生活編あたりで
切れてたんじゃないかなとは思う。なんとも切ない話ではありますが、
その全編に渡る愛憎っぷりやラストのマルク王とか良い場面満載でした。
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by souka_t | 2012-07-24 20:33 | 文学 | Comments(0)
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