柴田翔【されど、われらが日々ー】
第51回芥川賞受賞作品。

古本屋で偶然手に取った全集を軸に、
2つの遺書と1つの別れ書きを通して展開される
物語や心情の移り変わりはなかなかにして読ませる。

学生運動時代を扱った作品なのだが、
この時代の若者って本当にこんな感じだったの?
実に面倒くさい人間だらけだというのが率直な感想なのだが、
その面倒くさい人間の心情を手紙という形で本当に良く
表されていると思った。
特に秀逸だったのは最後の節子の手紙。
主人公との付き合いも長くなり、ようやくプロポーズされた
というのに突然別れを告げるというマリッジブルー展開。
なんだこの面倒くさい女はっ、と普通は思うだろう。
その面倒くささのロジックがよく手紙の文に表されていて、
実に感心してしまった。本当にこんな考え方をする人が
いるかどうかは知らないが、積み木の例えなどは非常に良く
象徴していたと思う。

面白い作品か?と聞かれれば面白くないよと即答するだろう。
文学性はあるか?と言われれば多分に感じると答えたい。
まあ、納得の芥川ではあるかな。
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by souka_t | 2011-11-25 05:04 | 文学 | Comments(0)
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