野呂邦暢【草のつるぎ】
第70回芥川賞受賞作品。

ミリヲタ大歓喜の一遍。
導入部の奇妙で思わせぶりな内容は、
どのようなサスペンスを展開するのかと思いきや、
まさかの自衛隊訓練日記。
M1カービンやBARなどのアメリカから買い付けた兵器が
作中の所々に扱われるのは当時の雰囲気がよく出てる、
人間模様も適度な下劣さを混じえて昭和中期の臭いがある。
特筆すべきはしっかりとした成長物語を
自衛隊という舞台を生かして爽やかに描ききったことだろう。
社会風刺が弱い分、物語の導入とヤマと収束と結末への流れは
綺麗だ。良い意味で大衆小説のような取っ付きの良い手触りが
あり、主人公の心境の変移には文学性が滲み出ている。

自衛隊入隊を考えている方に一読を勧めてみたい一作である。
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by souka_t | 2011-10-22 19:59 | 文学 | Comments(0)
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