松村栄子【至高聖所】
第106回芥川賞受賞作品。

女学生のキャンバスライフを書いた作品なだけに、
文学作品というより大衆小説の感覚に近い読み応えだった。
前回の自動起床装置と同様"眠り"を主題に持ってきてはいるが、
どうも腑に落ちない。
1つ1のエピソードにはキャンパスライフの雰囲気を充分に
表現されてはいたが、主題に繋がるかといえば
どうも整合性が悪く、無駄が多かった気さえする。
本筋のルームメイトの話は序盤から意味深で、
"眠り"の主題を持ち込んだだけありなかなか読ませるものがあった。
がしかし、姉の話やサークルの話、仲の良い2人の女学生の話
などはどうにも散漫さがあり、文化祭からの畳み掛けるような
挫折の積み重ねでフィナーレに持ち込むところは、
いささか強引に感じる。
眠りでしか癒されないものとそうでないものを
表現したかったのは薄々感じ取れるのだが、
残念ながら自分の感性では到底受け容れられないものがある。
それと主人公がややひねくれ者なのも印象が悪い所以か。
どうにもピンとこない作品だった。
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by souka_t | 2011-10-08 10:54 | 文学 | Comments(0)
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