辺見庸【自動起床装置】
第105回芥川賞受賞作品。

本編で、主要人物2人の仕事である"起こし業"を
脅かす存在として自動覚醒装置なるものが登場するのだが、
あまりに具体的な描写があり、そのリアリティから実在するのでは
思ったら、見事に実在した。
http://www.youtube.com/watch?v=3qQV-qAw-4U

元ネタはJRの社員が使っている起床装置らしい。
しかも、ここ数年で一般販売も開始して割と人気商品とか。

本編中では人の手によって起こされる目覚めに比べれば、
機械による目覚めは禁忌を犯した罰に等しいとまでに
強調されていたが、機器を想像する限りは悪くなさそう
とは思った。ダイヤを死守するJRのお墨付きとなれば、
恐らく機器による目覚めでは現行の最善手の1つなのだろう。

さておき、話自体は非常に文学性が滲み出ていて良い。
樹木のうんちくと眠りを結びつけた語りは趣があり、
眠りを軸とした登場人物の造形もリアリティがある。
それら全ては現代社会における人の眠りとは何かを
訴えるに足る内容だった。
そして極めつけはちょっとモヤモヤするラスト。
芥川作品ではもはや恒例なので慣れてきたが、
意外とすっきり終わる作品は少ない。これもそう。

個人的には話の引きが上手かったように思える。
起こし屋ってなに? → 聡って何者? → 自動覚醒装置ってなに?
まさかの聡の彼女登場 → 自動覚醒装置の採用投票 → その後の主人公2人。
という具合に飽きずに読むことができた。
その分期待度が先行してしまい、予想が自分の中の盛り上がりで
上回ってしまったこともあるが、悪くない作品だった。
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by souka_t | 2011-09-09 19:37 | 文学 | Comments(2)
Commented by 911 at 2011-09-11 09:39 x
お誕生日おめでとうございます。
ひとりMicropulで時間をつぶす今日この頃です。
これからも色々面白いことを教えてください。
Commented by souka_t at 2011-09-11 14:14
あざーす!!
ミクロプル中毒性あるよね。市販のものと比べても全く
劣らない見事なルールだと思う。
これからも変なあそびいっぱい紹介するよ!
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