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目取真俊 【水滴】
第117回芥川賞受賞作品。

沖縄戦を生き延びた元日本兵が、
戦後数十年後に突如として足が膨れ上がり、
そこから謎の水が延々と滴り落ちる話。

いきなり日本昔話のような奇妙奇天烈な展開で、
それに群がる沖縄民達の描写から、沖縄独特の
活気が伝わってきたのが良かった。
ちょっとした奇病の村騒動から、次第に沖縄戦の回想を交えた
重厚な展開へとシフトするのだが、結末が予定調和過ぎた。

若干、第110回の石の来歴を髣髴とさせるものがあるが、
こちらの方が後発ということもあり、ちょっとひねり不足を感じる。
こういう話にはひねりがあればいいというものではないけど、
自分には沖縄への思い入れがないせいか、
ちょっと物足りなかった。
by souka_t | 2011-05-24 05:31 | 文学 | Comments(0)
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