小島信夫 【アメリカン・スクール】
第32回芥川賞受賞作品。

英語教師なのに英語をしゃべりたくないって、
つまり・・・どういうことだってばよ?

話の序盤~中盤までそう思いながら読んでたもんで、
敗戦国の劣等感漂う主人公の言動が駄々っ子のように見え、
コメディ的だった。

古い征服戦争というものは、占領先の民族に
自分達の言語を学習させて使わせるのが常だが、
まさにこの話の主人公・伊佐はその屈辱感を
目いっぱい表している。
現代に於いて、英語ができて話せるなら躊躇無く英語を使うだろう。
だが、こういった時代背景では英語を使う意味合いが全く変わって
きて、それが非常に面白く、考えさせられる話になっている。
戦後の日本人を"英語"と言うキーワードを軸に上手く表現した
納得の芥川賞だと思う。

最後の場面で伊佐だけ取り残されるのも、
時代の流れに頑なに拒み続けてきた人の末路を表しているようで
とても象徴的だ。
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by souka_t | 2011-04-19 06:58 | 文学 | Comments(0)
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