柳美里 【家族シネマ】
第116回芥川賞受賞作品。

常々、尻マニアというのは別格だと思っていた。

自分も桂正和世代ド真ん中ではあるが、どちらかと言えば、
関心を持ったのは尻よりも下着の描き込み具合だ。

今まで周りにいなくはなかったが、他の宗派に比べれば、
若干アンコモンな印象で、勝手な偏見ではあるが、
尻マニアは老人に多く、熟成された変態紳士の風格を感じる。

尻の魅力とは一体何か、一時期本気で考えたことがあるものの、
終ぞその境地に達することなく今に至った。

ひっぱたいて赤い紅葉を作るサディスティックな魅力という
ものは、なんとなく分かる。
たまに見ると「ふむ、ありかもしれん」と思うことすらある。
だが、あの丸み単体での魅力を論ずるとなると、
節水の如し、流れ出るように言葉は出ない。

いきなり芥川賞作品を評するに尻の話とは何事か、と
思われたかもしれないが、この家族シネマという作品の
一節には、この私が長年抱いて已まなかった尻マニアの
老練なフェティッシュ像を具現化したような表現がある。

その一部分が印象的で、他はどうでもよくなってしまった。
正直、あまり好きな作品ではない。
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by souka_t | 2011-04-03 08:38 | 文学 | Comments(0)
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