堀田善衛 【広場の孤独】
第26回芥川賞受賞作品。

いきなり当時の社会派的な作品が来て驚いた。
戦後少し経った後、朝鮮戦争直前の時代背景がある作品
というのは全く馴染みが無いので、なかなか思考が追いつかなかった。

まず、全編に渡って"コミット"という言葉ありきな内容なのだが、
コミットという言葉自体がなかなかにして深い。
普段使う"コミットする"は関わるとか携わるで通じるもので、
より深い意味で使われることは無いと思われる。
本編では、主人公の周りの人間が世界状勢の流れに
どうコミットしていくかを長々と書かれていて、
その中で主人公はあらゆる方向から誘いを受けるのだが、
結局どこにもコミットしないという選択を取り、
最後に自らがペンを取り歩みだす。

あえて曲解的に、最後は創作を選んだとすると、
これほど良い経験をして物書きになるとかウラヤマシ過ぎる。
そりゃ前妻と揉めて別れたり、危険な党員との接触も多々
あったりと山有り谷有りだった事だろう。
それでも創作の糧という視点からすれば、補って余りあるものを
得てると思う。

今回も芥川賞の多様性を見た気がした。
良い意味での時代小説でした。
[PR]
by souka_t | 2011-03-15 04:35 | 文学 | Comments(0)
<< 【模型】LBX-002 デクー 2011年 月曜更新第十一回 >>