中山義秀 【厚物咲】
第7回芥川賞受賞作品。

久々に綺麗なまとめを見た。
今のところ芥川賞の中で一番好きなラストかもしれない。
コシャマインといい普賢といい、
最後は象徴的に誰かが死んで幕を閉じる作品って多いんだけど、
この厚物咲では象徴的な死について、最後に主人公の一人から
しっかりとした考察風の解説を入れてくれるんだよね。
故に、読みやすい・分かりやすい・読後爽やか の三拍子揃った
良い作品だと思う。

本編では、二人の主人公のうち片方の
ろくでもなさが延々と書かれているんだけど、
正直な話、読んでる時は"またモヤモヤするラストだろコレ"
と疑って已まなかった。
しかしどうだろう、最後の点と点が繋がったエピローグ。
まるで傑作推理小説を読み終えた時の読後感に近いんだよこれが。

文中の表現も割りとスマートにまとめられていて、
本当に読みやすい。時折この人本当に戦前の作家なの?
と思わせられるほど現代的なモノを感じるんだけど、
ウィキでの経歴を見るに、平家物語の現代語訳とかも
やってる方だったのね。現代語訳ってぐらいだから
現代人に分かる表現に直す一種の翻訳作業をする訳だ。
表現が非常に分かりやすいのも納得。
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by SOUKA_T | 2011-02-09 06:58 | 文学 | Comments(0)
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