鶴田知也 【コシャマイン記】
第3回芥川賞受賞作品。

書き出しの"祖母から聞いた歌だ"って言ってる一節を
どう解釈したものか。
実際にある民話を物語としてまとめたのか、
書き出しも含めてほぼ創作なのか、
それによって読み迎えた結末の感想は異なってくる。

内容は亡国の王子物語を地でいく叙事詩なのだけど、
親を殺され家臣を殺され逃れに逃れて募らせた復讐心が、
ふとした事で緩み、ガッツリやられてしまうという
なんとも読後モヤモヤするお話になっている。

高文明が低文明を侵食していく様が
芥川賞的な社会風刺の織り交ぜ具合なのかなと
納得する一方、やはり結末の意味は考えてしまう。

大業を成すには一時も敵に気を許すなって言ってる
気もするし、大勢に背いた成れの果てなんてこんなもんだ
って言ってる気もする。
せめて戦場で果てて欲しかったが、冒頭の先祖同様に
エゲツない騙まし討ちに合った事に意味があるのだろう。
本作は読後感も含めて異色な芥川賞作品だと感じた。
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by souka_t | 2011-01-14 05:56 | 文学 | Comments(0)
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