サウンドエクスプローラーズ04
最終章 喫茶店のひととき



電撃戦。
それは陸空の複合戦力による戦闘教義であり、
その真髄は機動力による短期決戦とされる。


一陣の風と共に鴉は飛び立ち
街路に点在する民草の声が沸き立つと
雲の隙間から陽が降り注いだ。

「書き上げたぞ」

そう言うと、1つの文をペーストし、
メッセージを送信する。

***********************
どうしても思い出せないので教えてください。
90年代ぐらいによくCMが流れていました。
外国人が歌っていたと思います。
鼻歌を作成したので聞いてみてください。

http://www.アプロダ
DLkey:nazouta

英語の単語には自信がありません、
メロディで判断願います。
***********************


「それをvipに投下する。こっちのホストは長い事規制されて
 スレ立てができん。何かイケてるスレタイを付けて代理で立ててくれ」

「スレタイ?どんなのがいいんだ」

「つい見たくなるようなヤツがいい。いっそ内容と関係が無いバーボン
 紛いのタイトルを付けたっていい」

「やや古いネタの方がいいよな?この曲90年代とかだろうし」

「そうだな、いいところに気づいたな。その線で頼む」

突然の振りにも関わらず、考える素振りも短く宗の案は出される。

「"軟式globeのアフロの方だけど質問ある?"にしよう」

「確かに開きたくなるし、古いネタだな」

スレタイは"軟式globeのアフロの方だけど質問ある?"に決した。
参考リンク



しかし


「立てられないな。こっちもホスト規制だ」

「マックつかえねーなー、フォレストガンプの
 りんごをロゴにしてっからだよ」

残念なお知らせに架空の煽り。

「マックのせいじゃねえよ。2ch用の専ブラ使ってみるわ」

数分の沈黙が間を支配する。
探究心、渇望、焦り、その悉くが脳裏を跋扈する。

「駄目だわ、専ブラつかえねーなー」

「マック糞だな、結局オサレぶったアイテムなんだよ
 今時印刷屋しかつかわねんだよ」

残念なお知らせと元印刷屋には不適切な煽り。

「マックのせいじゃねえよ。ちょっといろいろ試してみるわ」

数分の沈黙が間を支配する。
探究心、渇望、焦り、その悉くが脳裏を跋扈する。

「駄目だわ、ホスト規制はどうにもならんわ」

「マック情弱PCだわ、オサレ一般人PCの地位もネットブック
 に取って代わられて、今じゃデスクトップなんざヲタク用の
 自己満足アイテムなんだよ、時代遅れなんよ、デスクトップ
 とか使ってるやつは現状が見えてない、時代に乗れてない、哀れ」

残念なお知らせとノートPC普及率急上昇のネット社会風刺的な煽り。

「マックのせいじゃねえよ。今使ってるおまえのPCも俺が作って
 やったデスクトップだろう」

「ちげえねえ」

「しかたない、試しにウインドウズに切り替えてやってみるか」

ようやく心折れたジョブズ信者はゲイツの教義を載せた演算機を走らせる。
その数分、沈黙が間を支配し
探究心、渇望、焦り、その悉くが脳裏を跋扈する。

「ウインドウズにしたところで駄目だったわ、つかえねーなーゲイツ」

「時代はユニックスとかリナックスか・・・」

「いや、リナックスとか仕事以外で使ってるヤツは頭おかしいだろ」

「俺もそう思うわ」

ゲーム資産が走らないという一点の理由のみでゴミOS認定に踏み切る
二人であったが、電子ブロックをいじってるだけで科学者ぶってる
昔のガキとフリーOSインストしただけでプログラマーぶってるガキ
はどこか似てるという今昔入り交えた対比も趣があるとほくそえんだ。

その時である。


- GM さんが を送信します -

- ファイルの送信に失敗しました -


唐突にメッセンジャーを通しファイルが転送されてきた。
が、失敗。
互いに正常に動いてさえすればバージョンを上げる必要なしという、
現場主義なのかただのズボラなのか微妙な理念が垣間見れる。

6番目の不心得者:メールで頼むwwwwwwwwww


事態の急変を察した宗はマイク越しに状況を尋ねる。

「何があった?」

「GM からファイルが送られてきた。もしかしたらこの男、
 突き止めたのかもしれん」

「俺達がバカやってる間にか。出来る男は違うな」

「せやな」

もはやそれが回答であると決め付けて、GMへの賛美の声が
回線を経て関東と関西を飛び交った。
インターネットとはふしぎな物だ。
一石を投じるだけで、その波及は山を海を飛び越えて広がる。
そこに善意も悪意も隔てる壁は無い。

そして、メールボックスに一枚の急報が届いた。

添付ファイル nozo.mp3 


「??????」

「ちょっといいか、コレ聞いてみてくれ」

添付ファイルを宗へと回す。


「??????」

「なんか面白いことになってるぞ」


あわや解決かと思われたGMの一手。
それは更なる不可思議な謎をもたらした。

「これもこれでわかんねえな」

「ただ面白いことになってるのは確かだ」

「GM 面白いな」

「GM 面白いわ」

ノーベル化学賞を称えるがごとくの賛美は、
1つのファイルによって面白い芸人を称える賛美へと変わった。


「どうでもいいが、このままでは解決せんな」


ひとしきり笑った後の冷静な一言。
解決策が無いまま、ただ悪戯に時は過ぎ行く。

江ノ島を夕焼け雲が差す。
休日の期待を煽る匂いはいずこかに消え、
月曜の予感を促す絶望の匂いが侵食する。


http://www.midomi.co.jp/

スカイプメッセージウインドウを伝って、
宗からアドレスが送られた。

「なんぞこれ」

「アイフォン版では定番なんだが、PC用のもあった。
 もしかしたら、これで分かるかもしれない」

「自分で歌って検索? 鼻歌検索かっ!!!」

「ああ、ちょっとやってみろよ」

「おう」

早速、昨日から無駄に自信に満ちた鼻歌を直録音するも、
プラグインの不調により検索ボタンが上手く機能しない。

「駄目だ、うちでは検索が開始されねえわ」

「しかたねえなあ」

幾度と無くやりとりをしたメロディは、
しっかりと宗へと継承されていたため、
容易に代理録音が成される。

「おおお!!! ぶっははははは」

宗の歓声と爆笑。

「おい、なんだ、どうなった、あったのか?」

「これだ、これに間違いない。それらしきものがあった。
 すげえわ現代の音声認識技術」

「おい、なんだと、どれだ? 何ていう曲だ」

「今、曲名で検索してユーチューブのアドレスを回す」


http://www.youtube.com/watch?v=Z66rDVkaK4w


「おおおおお!!」

感嘆。只管な感嘆。

「Tom's Diner という曲らしい 」

「検索したら歌詞も出てきたわー、いい歌詞だなコレ」


I am sitting
In the morning
At the diner
On the corner
I am waiting
At the counter
For the man
To pour the coffee

朝、街の一角にあるダイナーへ入って、座って
カウンターの男性が
コーヒーを淹れてくれるのを待っていた

And he fills it
Only halfway
And before
I even argue
He is looking
Out the window
At somebody
Coming in

彼はカップの半分までしか注がず
わたしが文句を言おうとしたら
誰かが店に入ってくるので
彼は窓の外を見ていた



(Piles of Debrisより転載) 



「何気ない喫茶店のひとときを歌っている・・・」

「どうする? 折角だしさっきの軟骨globeのアフロをどこか規制の無い
 板に投下するか」

「いや、あの音源を駆使してまとめブログをざわつかせるほどの
 必死な人を演じるのも悪くないが、こう綺麗な歌詞を見せられては
 もう必死にはなれんなあ」

「だよなあ」

「それともう一つ面白いものを見つけちまった」


http://q.hatena.ne.jp/1090988210


「2004年のおまえがいるぞ」

「全くだ」


ー完ー




年末年始にGM氏本人をお迎えして、
最後の謎をライブ配信で検証するという
流れにしたかったのですが、実現できず残念です。
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by souka_t | 2010-12-30 08:08 | 日々よしなし事系 | Comments(0)
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