サウンドエクスプローラーズ 01
今年は、長きに渡って探し続けた音源を
多く発掘することが出来た、まさに実りある年と言ってもいいだろう。


プロアクティブのCMでかかるあの曲
ワンピースのハイライト場面でかかるあの曲
遊遊記のCMソングのフルバージョン
ベオウルフの歌
スネオが自慢するときにかかる曲のフルバージョン
他、結局直録音したヘイローウォーズの基地攻略BGM。


どれも曲名が分からないから検索困難という
共通の課題に対して、力技で虱潰しにかかった。
中でも、ワンピースのあの曲は困難を極め、
ソング集は入手しやすく多くの参照ワードに恵まれているのに対し、
劇中BGMのサントラは曲数枚数共に多く、その中から
1曲を探すのは困難を極めた。
ヘイローウォーズの基地攻略BGMに至っては、
どうもサントラで個別として収録ではないらしく、
ユーチューブなどで確認するとイマイチな編曲。
ゲーム本編で切り替わるところをそのまま録音したほうが
格好良かったという始末。
今年はこのような探索戦が多く展開された。

これから語る話は、今年最も苛烈を極めた探索劇。
現実で起きたまごう事無き実話・ノンフィクションだ。
ラノベを読むような軽い気持ちは捨てて読んで欲しい。
そこに真実がある。



■ 第一部 発端 ■


10時間を通してゲーム漬けという狂乱の宴が終わり、
一息ついたところで日付は土曜から日曜日へと移行した。

まだまだやる気の面構えを見せるえーおーあいは、
80年代に発売された翔企画のカードゲーム「三国志覇王」を取り出した。
苦とも楽ともつかぬ能面な表情で大先生が席に着く。
既にこれは"遊び"ではないと悟っていた彼は、
長期戦の覚悟を決めていた。深々と腰を降ろす、全身の力を抜くように。
そして終電を逃し帰りそこねたG-CHILDまでもが巻き込まれる。
場に似つかわぬアニメ絵のマットが敷かれたテーブルの上で、
そのカードゲームの封は開けられた。

カードを出す、引く、並べる。
そして説明書を読む。
またカードを引く、サイを振る、カードを置く。
つまづき、また説明書を読む。
カードを出す、戦争。
戦争のルールを説明書から探す。

全てを把握してからやれと思われるかもしれないが、
経験上これが一番の把握方法なのである。
プレイしながら"ルール検証をする"、この繰り返しの上に、
ボードゲームの会は成り立っている。

数時間を掛けてようやく一通りのルールを把握し、
1ゲームを終わらせた。
これでようやく"インスト可能状態"となる。
インストとは即ちインストラクト。
そのゲームを他人に説明できるまでに理解した者を示す、
卓上ゲーム用語の1つである。

数時間に渡る検証はさすがに体力を削る。
ここで休憩がてらの雑談へと移行する。
そこで話題となったのが、日付で言うところの昨日の
ボードゲームの会で使われた持ち寄りBGMの話。
1人10曲づつ、BGM・ソング・効果音・鼻歌・ボイス問わずの
音源を集め、それをゲーム中にランダムで永遠と再生し続けた。
そのBGMについての話題だった。

その中に、前述のワンピースのあの曲も含まれていた。
それをして、えーおーあいは

「今年は予てから探していた音源がたくさん見つかった。豊作年だよ」

と満足気に語った。更に続けて

「でも、まだ探してる曲があるんだ。こんな曲なんだけど分かるかい?」

一瞬場が静まり返る、深夜の静けさと沈黙の静けさ、
夜陰に吹き抜ける風をもピクリと止まった。

「ラーラッデェーレ、デッデデーレ、レッデッデッデーレッテデーレ」

ベートベーンもモーツァルトも真っ青な軽快リズムの鼻歌が
深夜の湘南に木霊する。ここに一人オケが結成された。

「なあ、随分昔で、えっとまあ、90年代ぐらいのCMかな、分かるだろ?」

一人オケの人気歌手は皆に同意を求めた。


「???」

はじめてゲームセンターでユーフォーキャッチャーを見る
ムギちゃんの目で見つめる大先生。

「聞いたことある・・・気がする」

そう言って本当に心当たりありそうに考えこむG-CHILD。
この反応の差は後々原因が判明する。

「ラーラッデェーレ、デッデデーレ、レッデッデッデーレッテデーレ」

アンコールも無しに更にリピートする一人オケの人気歌手。
軽快、爽快、颯爽。リズミカルではある。
惜しむらくは声優ボイスではなくキモヲタボイスであるという点か。

「なんつうのかな。外人、黒人だったかも。なんか作業しながら
黙々と歌ってた気がするよ。歌だけ音無し。ユニセフとかそんな
後進国を助ける系の慈善団体のCMだった気がするんだよね。
実際何かわかんないけど、とりあえず90年代ぐらいなのは確か」

なにかトリガーになればと、一生懸命思いつく限りのことを
とりあえず言ってみる人気歌手。

「???!」

ホームセンターでちょっと使い方がわからないけど
ワクワクしてくる道具を見つけたムギちゃんの目で見つめる大先生。

「うーん、それコーヒーじゃなかったか?
CM曲だとカーペンターズの可能性が高いと思うな」

ここでG-CHILDにより新説が浮上。
ようやく詰まりかけていた謎が前進しようとしていた。

「コーヒー、そうかもしんね。とりあえず外人なのは確か。
カーペンターズかー、あるかもなー、カーペンターズはあるわー カーペンターズあるわー」

人気歌手の目が中央に寄った地獄スタイルの言葉が発せられる。
それに同調して、ただただ目を輝かせていたお嬢様も

「カーペンターズなら俺も分かるわ」

言うが早いか、地獄の人気歌手から突然違う鼻歌が奏でられる。

「ラララ ラー ララン ラー ラッラッ ラッランラーララー」

それに被せるように鼻歌を奏でるお嬢様

「ラララ ラー ララン ラー ラッラッ ラッランラーララー」

二人のカーペンターズ(仮)は一致したようだった。

「カーペンターズのCMソングを辿れば発見できるかもしれないな」

最後にG-CHILDが解決策を残して、
その場は解散となった。

日曜の朝アニメに備えて、えーおーあいはすぐ眠りに落ちた。
もはや勝利は目前という満足感に眠り顔は笑を含んでいる。

だが、次の朝こそが熾烈を極める探索劇の始まりであった。



ー第二部につづくー





□ 第二部予告編 □


えー「馬鹿な、俺の記憶に間違いはない。そんなはずじゃなかったんだ!!
   嘘だと・・・言ってよ・・・」

かつ「聞いたことあるな」

ゲット「無茶しやがって・・・」

宗「ああ、スピッツの曲ならたいてい弾けるぜ。
  俺はこれでもソウタとギグったことがあるんだ」

姉「そんなヘタクソな鼻歌じゃ分からない」

えー「この熾烈を極める戦いで、一人無意味に大ヤケドを負った人がいる。
   彼の勇気と義侠心、そしてチャレンジスピリッツを称賛したいと思う」
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by souka_t | 2010-11-10 17:42 | 日々よしなし事系 | Comments(2)
Commented by G-Child at 2010-11-10 19:50 x
私が発言したアーティスト名は「スピッツ」ではく、「カーペンターズ」であったと訂正させていただきます。
というかどこから出てきたのよスピッツ
でも、自分で調べたかぎりじゃそれもとんだ的外れっぽい。
はてされ、答えは何処へ……
第二部に期待します。
Commented by souka_t at 2010-11-11 03:47
スピッツはもうちょい先だった。
カーペンターズでもなかったりするし、この後が大変だった。
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